約 1,443,785 件
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1528.html
――季節は5月。 陵桜学園を卒業して、同じ大学に進学した俺と、恋人の泉こなた。 こなたとは高校3年の秋に、俺が転校した先の高校で出会った。 転校した当時、陵桜学園は桜藤祭と言う文化祭の準備で賑わっていた。 こなたと出会い、色々な出来事が起こった。 それはもう、とても一言では語れない位に。 ……まあ、紆余曲折あって、俺とこなたは晴れて彼氏彼女になったのだ。 初めてふたりで迎えたGW、今日はこなたが大好きな秋葉原でデートだ。 「ねえ、○○君。アイス食べてかない?」 「ん? そうだな。食べていこうか」 「決まりだね。それじゃ早く並ぼうよ」 こなたが小さな手で俺の手を引いて、露天に向かって駆け出す。 「はいはい」 俺はまるで子供のような彼女に苦笑いしながら、手を引かれるままについていく。 「お兄さん! ダブルのコーンでチョコチップとストロベリーケーキね!」 前の客が注文を済ませてる間、キラキラと瞳を輝かながら、ガラスケースにへばりついて選んだアイスを注文するこなた。 「俺はダブルのコーンでバニラとオレンジシャーベット」 「二つで1160円になります」 「えっと……お金お金っと」 「いいよ。俺が出すから」 ポケットの中の財布を取り出そうとするこなたを静止して、予め出しておいた2000円札を店員に差し出す。 「ありがと」 こなたが笑顔で俺に礼を言う。 「840円のお釣りになります。お待たせしました」 店員がお釣りを俺に渡して、ふたつのアイスをこなたに手渡す。 「優しいお兄さんだね。お嬢ちゃん」 ピシッ。 何気なく店員が言った言葉にこなたが固まる。 べちゃべちゃっ。 こなたの手をすり抜けてアイスが地面に落ちる。 「……お兄さんじゃなくて、彼氏だもん」 腹の底から出した低い声で否定するこなた。 「……え゛っ。そ、それは失礼しました……」 ぷるぷると怒りに打ち震えるこなたの雰囲気に、店員は大きな汗を掻きながら謝罪する。 「あ、これでもこの子と俺、同い年なんで……」 険悪な雰囲気に耐え切れず、店員に一方的にそう告げると、俺はこなたを連れて露天を離れた。 ※ 「まったく!! 失礼しちゃうよ!!」 二人で歩く道すがら、こなたはぷりぷりと頬を膨らませて、まだ先ほどの出来事を怒っていた。 「まあまあ。そんなに怒るなって」 「○○君は、彼女が侮辱されたっていうのに悔しくないの!?」 「いや、別に侮辱なんてされてないと思うんだけど……」 「………」 立ち止まってジト目で俺を睨むこなた。 「そ、そんなに気にするなって。こなたが小さくてかわいいから、知らない人から見たらそう見えるんだよ」 何とかこなたを宥めようとするが、こなたは俯いてぽつりと呟いた。 「……私、○○君の彼女なのに」 「……妹なんかじゃ、ないもん」 「……馬鹿だな。こなたは」 こなたの頭に優しく手を置いて語り掛ける。 「っ!? どうせ私は馬鹿だよっ!!」 俺の手を振り払い、怒鳴るこなた。その瞳は潤んでいて、泣き出す一歩手前だった。 俺はこなたを抱き寄せるとこなたの耳元に囁く。 「そうじゃないよ。他人の目なんかどうだっていいんだ。肝心なのは、俺がこなたの事をどれだけ大切に想ってるかって事だろ」 左腕でこなたを抱き寄せたまま、右手でこなたの頭を優しく撫でてやる。 「……うん」 俺の腕の中で、こなたがコクンと頷く。 我ながら、ずいぶんと恥ずかしいセリフを吐いたものだ。 ちょっと今は恥ずかしくて、こなたの顔を見られない。 こなたの顔が赤くなってるのに気づかない振りをして、俺はこなたを開放すると、こなたに顔を見られないようにすぐ、こなたの手 を取って駆け出す。 「……それじゃ、今度はどこ行こうか?」 「ゲーマーズ? アニメイト? こなたが行きたい所ならどこでもいいよ」 「どこでもいいよ!!」 「○○君と一緒なら、どこでも楽しいから!!」 こなたの元気な返事に、思わず頬が緩む。 俺達はお互いに笑顔で、目的地も決めないまま、街の中を駆け抜ける。 きっと、他人から見れば、俺達は仲の良い兄妹に見えるかもしれない。 けどそんな事関係ない。 俺がこなたの事を大切に想っていて。 こなたが俺の事を大切に想っていてくれれば。 他人の認識なんて関係ないんだ。 「好きだよ。こなた」 「私も○○君の事、大好きだよ」 天下の往来でお互いへの好意を口にして走る俺達は、傍から見たらバカップルなんだろうな。 でもそんなの関係ない!! 「うわ、ロリコンだ」 どこかの小学生くらいの女児が俺達を見てそう呟いたのが聞こえた……。 そういえば、こなたを宥めるのに必死で失念してた。ここは人が沢山いるじゃないか……。 きっと俺達のやり取りを見てた人達は、俺の事をロリペド野郎と思ったんだろうな……。 ……でもそんなの関係ねぇ!! でもそんなの関係ねぇんだ!! そうさ、関係ねぇんだ……。 ロリコンはステータスだ!! こなたの事を好きなのがロリコンだと言うのなら、ロリコンだっていいさ!! ロリコンだっていいさ!! ロリコンだっていいさ……。 ※ ――翌日。 俺とこなたは原宿を歩いていた。 「どこでお茶しよっか」 俺の左腕に抱きついて歩くこなたが尋ねてくる。 「そうだな、どこがいいかな……」 GWという事もあり、周囲は人で一杯だ。 ふたりで適当な店を選びながら歩いていると、不意にこなたが立ち止まる。 こなたの方を見ると、こなたは中に洋服がディスプレイされた、洋服店のショーウインドーをじっと見つめていた。 「その服が気になる?」 突然立ち止まったこなたに尋ねると、こなたはふるふると首を横に振る。 「……やっぱり、見えないかな」 「……え?」 こなたが何気なく呟いた言葉を聞き、こなたが見ている物を良く見てみる。 こなたが見ている物は、ショーウインドーに映った俺達ふたりの姿だった。 「こなた?」 「やっぱり、子供っぽすぎるかな……」 無意識に呟くこなた。 俺は落ち込んだ顔をしているこなたに気づかない振りをして声をかける。 「こなた。その服が気になるなら、中に入ろうか?」 俺の問いかけに、はっとした顔で振り向くこなた。 「……え? あ、えーと、ちょっと私には似合わないかなー」 そう言ってこなたは笑ってみせる。 ……もう気にしてないかと思っていたんだが、思ったより根は深いようだ。 「そうか。それじゃ、よそに行こうか」 「うん。……あっ」 「どうしたの?」 「ごめん、ちょっと待って。……もしもし。うん、うん。もう、しょうがないねぇ」 携帯電話を取り出して誰かと話をするこなた。 やがて通話が終わると、こなたは申し訳なさそうに俺に告げる。 「ごめんね。バイトの子が急病で、今日だけどうしても人手が足りないんだって」 「そうか。それじゃ仕方ないな。バイト先まで送ろうか?」 「ありがと。でもまだ明るいし大丈夫だよ」 「そっか。それじゃ、気をつけてな」 「うん。バイバイ」 こなたはそう言って手を振りながら、駅の方へと走っていった。 「……こなた、やっぱり気にしてるんだな」 別に他人の認識なんて、どうでもいいと思うんだけどな。 「こなたもやっぱり女の子って事なのかな」 出来れば何とかしてやりたいが、流石にこなたの身長や外見をどうにかするのはムリだ。 「……うん? 外見?」 「おお!! その手があったか!!」 思わず拳で掌を打つ。 「……何がその手なの?」 「……うおっ!!」 不意に話しかけられ、思わず飛び上がる。 声の主のほうへと振り返ると、そこには高校の時の同級生で、こなたの親友の柊かがみが立っていた。 「久しぶり。元気そうね。今日はこなたと一緒じゃないの?」 「あ、ああ。久しぶり。さっきまで一緒だったんだけど、こなたに急なバイトが入ってさ。今さっき別れたとこ」 「そうなんだ」 「そっちの大学はどう?」 「まあぼちぼちってとこかしら」 「ふーん」 「ところで、さっきのその手って何?」 「……こっちの近況じゃなくて、そっちを聞くんだ」 「だって、いつもこなたに電話で聞いてるもの」 「今日は○○君とどこに行った、何をしたとか、ノロケ話をね」 ……どうやら、俺とこなたの付き合いは、こなた自身の手によって筒抜けらしい。 「えっと実は……」 こなたにノロケを聞かされてる彼女への申し訳なさと恥ずかしさもあって、彼女に先ほど思いついた事を全部話してしまった。 「なるほど。こなたが子供っぽい外見を気にしてるから、似合いそうで大人っぽく見えるアクセサリーでもプレゼントしようかと」 「うん。たしかあいつ、もうすぐ誕生日だしさ。本当はあいつの欲しがってたゲームソフトでもやろうかと思ったんだけど」 「……彼女の誕生日にゲームソフトって」 呆れた顔で俺を見る。 「そんなジト目で見ないでくれ。俺もそれはどうかなって思ってたんだから」 「まあ、プレゼントがそれでも、こなたならすごく喜ぶでしょうね」 肩をすくめて言う彼女。 「そうだろうな。でも折角のプレゼントだからクリアしたら終わりのゲームより、長く使ってもらえそうなのにしようかと」 「そのほうがいいわよ」 「だけど、ひとつ問題があるんだ」 「問題って?」 「俺のセンスで、果たしてこなたに似合う物を選べるのかって事」 「……良かったら、一緒に見てあげてもいいけど」 「本当か?」 「こんな事で嘘なんて言わないわよ。それにあたしもこなたへあげるプレゼント見ておきたいし」 「サンキュー。かがみん」 「かがみん言うな!!」 「いや、こなたがいつもそう呼んでるから」 「まったくもう。ほら、こなたへのプレゼント見に行くんでしょ」 「ああ」 こうして俺達はこなたへのプレゼントを探して、日が暮れるまであちこちの店をはしごしまくった。 「おかげで良い物が手に入ったよ。一緒に見てくれてありがとう」 こなたへのプレゼントをようやく買った時にはかなり暗くなっていた。 こんな時間まで付き合ってくれた彼女に、礼を言う。 「どういたしまして。こなた喜ぶといいわね」 「うん。早くこなたが喜ぶ顔が見たいよ」 「あー、お熱い事で」 そう言って笑う彼女と別れ、俺は駅へ向かった。 しばらく電車に揺られて、駅を出た俺は気分良く家への帰り道を歩く。 「……ん?」 ポツッポツッポツッ……。 ザアァァァァァ……。 「おいおい、折角気分がいいのにさ。なんで雨が降り出すかな」 苦労して選んだプレゼントを濡らさないように、懐に仕舞い込むと俺は帰り道を走り出した。 「はあはあ……。ちくしょう。どんどん雨が強くなってきたな」 懐のプレゼントを庇いながら、エヴァンゲリオンみたいな猫背で走る俺。 やっと我が家の玄関先が見えてくると、そこには、ずぶ濡れのこなたが立っていた……。 ※ 「こなた!! こんな所で何してるんだよ!!」 「ああもう、ずぶ濡れじゃないか。ほら、とにかく中へ」 全身濡れ鼠のこなたの背中に手を回して、玄関の中へ向かおうとする。 「……○○君」 「私と別れてから、何してたの?」 ずっと俯いたままのこなたが、不意にそんな質問をしてきた。 「え? そんな事より早く中へ」 「答えてよ!!」 俺の言葉を遮り、こなたが悲痛な叫びを上げる。 何だ? 一体こなたに何があった? 「別に、ひとりでぶらついてただけだけど」 「嘘!!」 「いや、嘘って。こなた……一体どうしたんだよ。まるで駄々っ子みたいだぞ」 「どうせ私は子供だよ!!」 顔を上げて俺の顔を見つめるこなたは、泣いていた……。 「……バイトの帰りに見たんだよ」 「かがみと……仲良さそうに一緒にいる所……」 「え?」 どこで見られたんだろう。別に見られて困る事なんかしてないけど。 「……ねえ。やっぱり、かがみみたいな普通の女の子がいいの?」 「は?」 「……私、小さいし、オタクだし、一緒にいても面白くないよね」 「いや、すごく面白いけど」 「デートだっていっつも私の行きたい所ばっかで、本当は退屈なんだよね」 「いや、全然。退屈した事なんかないけど」 「本当はかがみと一緒に行ってた所なんかに行きたいんだよね」 「いや、俺はそういう趣味ないから。ああいう店の良さなんて判らないし」 「そんな嘘言わなくていいよ。私の事、飽きちゃったんでしょ……」 「こなたみたいな面白い子、飽きる訳ないって」 「だったら!! なんでかがみと一緒にいたの!? あんなに楽しそうに!!」 「いや、単にその時の話題が盛り上がっただけだけど」 俺の言葉なんてまるで聞いてないのか、こなたは一人でどんどん鬱になる。 「……ひどいよ。好きって言ってくれたのに、裏切るなんて……」 「いや、別に裏切ってないし」 「……っ。ひっく……」 「ああもう。何も泣く事ないじゃないか」 「……だって」 「ほら、もう泣くなって」 俺は泣いてるこなたを抱き寄せる。 濡れた衣服越しに、こなたの暖かな体温と鼓動が伝わってくる。 「よしよし」 俺がこなたの頭を撫でてやると、こなたはすんすんと鼻を鳴らしながらギュッと俺の襟元を掴む。 「……嫌いに、ならないでぇ……」 「一生ならないよ」 俺はそう、こなたの耳元で囁いてから、懐のプレゼントをこなたの顔の前に差し出す。 「ハッピーバースデー。こなた。ちょっとばかし早いけど」 「……え?」 目の前のプレゼントを見て、こなたが呆けた顔をする。 「なんか誤解してるみたいだけどさ。こなたと別れた後たまたま行き会って、プレゼントを一緒に探してもらっただけだよ」 「俺のセンスじゃ、女の子へのプレゼントを上手く選べないからさ」 「え……そ、それじゃ……」 「そ。こなたの勘違い」 「………」 「いや、しかしね。まさかこなたがヤキモチを焼いてくれるとはね……」 「そんなに俺の事が好きなのか。こなた」 俺がそう言って笑うと、たちまちこなたの顔が真っ赤に染まる。 「ばか!! ばかばかばか!!」 ポカポカポカ。 顔を真っ赤にしたこなたが俺の胸をぽかぽかと叩く。 「いててててて!! 勝手に勘違いしのに逆切れかよ!!」 「うるさい!! ばかあっ!! 好きな人が他の女の子とふたりっきりで仲良くしてたら、誤解したってしょうがないじゃん!!」 ポカポカポカ。 「ばか!! ばかばかばかあっ!!」 「ああもう!! いいかげんにしろっての!!」 俺の胸を叩き続けるこなたを無理矢理抱きしめて、キスをする。 「ば、む!? んんーっ!!」 じたばたと暴れるこなたを抱きしめて拘束したまま、こなたの唇を塞ぎ続ける。 「………」 やがて、こなたの体から力が抜けたのを確認して、こなたを抱きしめる力を緩める。 「俺はね、こなたの事を一番大切に想ってる。絶対に裏切らないし、嫌いになんかならないから」 「だから俺の事、もう少し信用してくれよ」 「……うん」 俺の言葉に素直に頷くこなた。 どうにか落ち着いてくれたようだ。 「とりあえず、家に入ろう。このままじゃ風邪を引くから」 「うん……」 ※ 「こなた。風邪引くから、シャワー浴びてきたら」 バスタオルで髪を拭くこなたにシャワーを促す。 「うん。でも着替えが……」 「ああ。言われてみればこなたに合う女物の服なんて、この家にはないしなぁ」 「……あ、これでいいよ。それじゃ、シャワー借りるね」 そう言って、こなたは部屋の隅に放ってあった、俺のシャツを掴んで風呂場へ歩いていった。 「……お約束だな」 マンガなんかでよくある展開だな、と思いつつこなたが風呂場から出てくるのを待つ。 待つこと10数分。 「お待たせー。ああ、いいお湯だった」 俺のシャツだけを羽織ったこなたが、バスタオルで髪を拭きながら部屋に戻ってくる。 やべぇ。 こなたの格好、すごく萌えるんですけど。 袖が長すぎてこなたの手首が見えない。腕だけならどこかのアイドルの格好みたいだ。 だが、それがいい。 小さな女の子が大きな男物のシャツだけを着る。 ありきたりのお約束が、こんなにも素晴らしいとは。 「それじゃ、俺もシャワー浴びてくるよ」 思わず抱きしめたくなるが堪えて、部屋を出る。 「……私がこんな格好なのにスルー!?」 すまん。雨と汗で汚れてる今の俺が、こなたを褒めて抱っこしたりしたら、折角奇麗になった大事なこなたが汚れるじゃないか。 「ん? 流石に俺のじゃこなたにはでかすぎるな」 「もういいよっ!!」 理性を総動員してクールに対応すると、こなたがむくれてそっぽを向く。 「……こなた。そこの棚にドライヤーがあるから、髪乾かしとくといいよ」 「それじゃすぐ戻ってくるから」 むくれた顔のこなたを自室に残し、俺は急いでシャワーを浴びに行く。 シャワーで髪と体を洗いながら、こなたへの煩悩を沈める。 10数分後、部屋着に着替えた俺はこなたが待つ自室へと戻った。 ※ 「おまたせ。あれ?」 ドアを開けて声をかけるが返事がない。 部屋の中を見ても待ってるはずのこなたがいない。 「……トイレかな」 「違うよっ。飲み物淹れてきたんだよっ」 いつの間にか俺の背後に、湯気を立てるマグカップをふたつ持ったこなたが立っていた。 「うおっ! びっくりした」 「ちょっと台所借りたからね」 「ん、ああ。それはいいけど……」 「そんな所に立ってないで、座ろうよ」 「ああ」 俺はなんとなくベッドに腰を下ろす。 「よいしょっと」 こなたは俺の膝の上に腰を降ろす。 「おいおい……」 「駄目?」 振り向きながら、上目遣いに俺の顔を見上げるこなた。 そんな顔されたら断れないじゃないか。 いや、別に断る理由もないけどさ。 「こなたがそれでいいならいいよ」 「うん。はい」 こなたは嬉しそうに笑うと、俺にマグカップを片方手渡す。 「サンキュ」 こなたの淹れてくれたコーヒーを飲む。 「こなたが淹れてくれたコーヒーはうまいな」 「それ台所にあったインスタントだよ。いつも飲んでるんじゃないの?」 「こなたが淹れてくれたからうまいんだよ」 「……ありがと」 俺の言葉に顔を赤くして、自分のコーヒーを飲むこなた。 つくづく表情がころころ変わる女の子だ。 本当に見ていて飽きない。 「こなたってさ」 「ん?」 膝の上のこなたが、俺にもたれかかりながら上目遣いで俺の顔を見る。 あ。 こなたの胸元がシャツの隙間から見えた。 「……」 「私が何?」 「ん、あ、ああ……」 いかんいかん。煩悩退散!! 「こなたってさ、結構……いや、かなり甘えん坊だよな」 「それに、意外に独占欲強いし。俺、もっとこなたはクールなもんだと思ってたよ」 「……どういう意味かな?」 「ああ、別に馬鹿にしてるわけじゃないぞ。なんていうか、こなたはもっと大らかでさばさばしてると思ってたんだ」 「だからさ、さっきみたいにヤキモチ焼いたり、泣いたりするの見てちょっと意外だなって」 「……私って、○○君にどういう目で見られてるんだろう」 「いや、だから別に馬鹿にしてるわけじゃなくてさ、付き合う前とかのこなたの言動や行動からは、今日のこなたは想像も出来なかっ たって事」 「……私も驚いてるよ」 「だってさ、バイト帰りに○○君とかがみが一緒にいるの見たら、すごく嫌な気持ちになったんだもん」 「昨日の事とかもそうだけどさ。自分がこんなにひとつの事やひとりの人間にこだわるなんて、半年前には想像も出来なかったよ」 「多分、○○君と出会って、○○君を好きになって、付き合うようになったから……」 「だから多分……ううん。きっと、私変わっちゃったんだと思う」 「○○君は、変わっちゃった私は嫌?」 「他の女の子と一緒にいるだけで、ヤキモチを焼いたり泣いたりするような子は鬱陶しい?」 そう言って真剣な瞳で俺の顔を見つめる。いつもの無邪気に笑ってるこなたじゃない。 俺の嘘偽りのない本物の気持ちを知りたがってるんだ。 「こなたはこなただよ」 だから、俺は嘘偽りのない本心をこなたに伝える。 「以前のこなたがどうだったかなんて、関係ない」 「こなたが変わったっていうなら、俺だってそうさ」 「半年前のこなたと出会う前の俺だったら、こんなに一人の女の子の事ばかり考えたりしないよ」 「俺は、いつだって俺の側にいてくれる、泉こなたという女の子の事が一番大切だよ。いつもこなたの事ばかり考えてる」 「……嬉しいよ」 そう言って、幸せそうに微笑んで俺の胸にその小さな体を預けてくる、世界で一番大切な女の子。 小さいけれど暖かいその体をそっと抱きしめる。 こなたのぬくもりと、その命の鼓動を感じる。 こなたのすべてが愛しい。 こなたが欲しい。 だけど……。 「……いつの間にかもうすっかり遅くなっちゃったな。こなた、家には連絡してある?」 「ううん、まだだよ」 「そうか。親父さん、心配してるかもしれない。連絡しといた方がいい」 「何かこなたが着れそうな物探すからさ。そしたら家まで送っていくよ」 俺はそう言って、こなたを膝の上から下ろして立ち上がろうとする。 「……」 こなたが俺の右手を取って、左手できゅっと握り締める。 「……帰りたく……ないよ」 「こなた……」 「ホントはね、さっき家に電話したんだ……」 「かがみの家に泊まるからって……」 「こなた、それって……」 「もっと……。もっと……○○君と一緒にいたいよ……」 「……こなた。それがどういう意味か判ってる?」 「……判ってるよ。私、見た目はこんなでも、もうすぐ19になるんだよ?」 「男の人の部屋にずっといるって事が、どういう事なのかって事くらい判ってるもん……」 「それとも、私と……そういう事になるの……嫌?」 「そんな事はない。けど……」 「私、まだ不安なんだよ……」 「今は私の事を好きって言ってくれるけど、もし○○君が心変わりしちゃったらどうしようって……」 「……」 「ごめんね。女々しいよね、私」 「だからね、欲しいの……。○○君が、ずっと私だけを見ていてくれるっていう証が……」 「私、こんなだから……。○○君がずっと私の事好きでいてくれるなんて、思えないよ……」 それだけ言ってこなたは顔を伏せる。 そんなに気にしてたのか……。 「……こなた」 俺はこなたの体に手を回して、その小さな体を抱きしめる。 「ごめんな。こなたがそんなに不安だったなんて知らなかったんだ」 「俺がもっとしっかりしてれば、こなたにそんな気持ちを味あわせなくて良かったのにな」 「……ううん。○○君は何も悪くないよ……」 「いつだって、○○君は優しいのに、私が勝手に……」 「こなた」 「俺、こなたが欲しい」 「え?」 「本当はもうずっと前からこなたが欲しかったんだ。だけど、俺、こなたの事が本当に好きだから……」 「だから、大切にしたかったんだ。俺は、こなたの事を世界で一番愛してるから」 「あ……」 こなたの瞳から、涙が一筋、流れ落ちる。 俺は涙の流れた跡を親指で優しく拭って、こなたに言う。 「こなたは俺のモノだ。誰にも絶対渡さない」 「○……」 俺の名を呼ぼうとするこなたの唇を唇で塞ぐ。 息が続く限り、お互いを求め合う今までで一番長いキス。 「……こなた。本当にいいんだね」 「……うん。○○君の……モノにして……」 ※ 「ん……」 俺はこなたの唇に優しく唇を重ねる。 こなたへの愛しさが止まらない。 「んん……んぅっ……!?」 こなたの口内にぬるりと俺の舌を侵入させる。 (し、舌!? ○○君の舌が入ってきてる!!) ぬめぬめとした他人の舌が、自分の舌に絡められる初めての感覚に、こなたの体が強張る。 (……これが、ディープキス……) 「んちゅ……はむ……ちゅぷりゅ……」 (舌が絡み合う音が……エッチだよぉ……) (はうんっ……舌が吸われて、○○君の口の中に吸い込まれてる……) (あぅ……舌がぁ……甘噛みされてるよぅ……) 情熱的なディープキスに、こなたは戸惑いながらも、次第にその感覚に酔いしれる。 (はうん……。なんだか、頭の中がぽわーとしてきたよ……) 「ん、は……ぁ……」 俺が唇を離すと、俺とこなたの口の中から繋がっていた、キラキラと輝く唾液の糸がぷつりと切れる。 「……こなた」 初めてのディープキスの感覚に、酔っているこなたの胸元に手を伸ばすと、俺はシャツのボタンに手をかける。 「こなた。脱がすよ」 「うん……」 俺の言葉に頬を桜色に染めたこなたが小さく頷く。 プチ、プチ、プチ……。 シャツのボタンをすべて外して、シャツを脱がせる。 シャツから腕を抜く時、こなたは恥ずかしそうにもじもじしながらも、俺のされるがままに脱がされてくれた。 脱がしたシャツをベッドの下に放る。 こなたはシャツの下に何も下着を着けていなかった。 「……」 俺の膝に座ったこなたの染みひとつない綺麗な柔肌が、俺の目を釘付けにして離さない。 実年齢の女の子達よりも小柄なこなたの体は、確かに発育が遅れているように見える。 だけど、俺にはそんな事は関係なくて。 ただ、大切な女の子が生まれたままの姿を羞恥に震えながらも、俺の目に晒してくれた事が否応無しに俺を興奮させた。 「……」 「えと……その、ごめんね……」 俺がこなたの綺麗な体に魅入られていると、こなたが申し訳なさそうに小さな声で言う。 「何が?」 「こんな、貧相な体で……」 「そんな事ないよ。綺麗だよ」 「……お、お世辞でも嬉しいな……」 俺の言葉にはにかむように笑うこなた。 「お世辞なんかじゃないよ。すごくかわいい。それに……」 「ひゃん!!」 「こんなに柔らかくて暖かい。こなたの体はちゃんと女の子してるよ」 こなたの首筋にキスをすると、彼女はぴくんっと体を震わせる。 「こなた。かわいいよ」 俺はもう一度こなたにキスをすると、こなたの耳元で囁く。 「こなたの体、もっと触ってもいい?」 「うん……」 俺の言葉に顔が赤くしながら頷く。 俺はこなたが頷いたのを見て、こなたの控えめな乳房にこなたの背後から触れてみる。 「……あ」 暖かくて、柔らかい。 確かにそんなに大きくないし、俺の掌にすっぽり収まってしまうけど……。 間違いなく、女の子の柔らかさと暖かさだ……。 「ごめんね、胸……小っちゃくて……」 「大きさなんて関係ないよ。俺はこなたのがいいんだから」 そう囁いて、俺は腕の中で大人しく座ってる、こなたの首筋に軽く口付けた。 そしてこなたの胸を親指の付け根と、中指、薬指、小指の付け根で下から掬い上げるようにしながら、優しく揉む。 確かにサイズはそんなに大きくないが、ちゃんと女の子の胸だ。揉む事が出来る。 「あっ……」 「すごく柔らかくて、暖かいよ。出来たらずっとこうしていたいくらいだ」 「んっ……そ、その触り方、なんかエッチだよぉ……」 こなたの乳房を指の付け根で揉みながら、紅く色づいた乳首を親指と中指で摘む。 「ひゃんっ!!」 こなたの体が乳首に与えられる刺激に打ち震え、俺の胸と腹にその震えがこなたの小さな背中から伝わる。 クリクリクリ……。クニュクニュ……。 こなたの可愛らしい乳首を親指と中指で擦るようにしながら、時々軽く力を入れて押しつぶしたりしてみる。 「あっあっ……。駄目、駄目ぇ……。そんな触り方、しちゃ駄目……だよぉ……」 俺の腕の中で両胸を責められながら、顔を紅潮させたこなたが、涙で潤んだ瞳で俺の顔を上目遣いに見る。 「ごめん。痛かった?」 「ううん。……違うの。なんか、変だから……」 「変?」 「その……先っぽが、凄くジンジンして……。変なの……」 「……嬉しいな。俺の手で感じてくれたんだね」 「そ、そんなのわかんないよ!!」 たちまち顔を真っ赤にして否定するこなた。 「そう? こなたはエッチなゲームを沢山遊んでるからわかるんじゃないの?」 「そ、そんなのわかんない!! だって、所詮はゲームなんだし!!」 「そっか。……こなたは、ゲームでオナニーとかはしないんだね」 「オ、オナっ!? ……そ、そんなのする訳ないじゃん!! く、癖になったらヤだし……」 「嬉しいな。それじゃあ、こなたに初めてこういう感覚を教えたのは俺って事なんだ」 「う……。ま、真顔で変な事言わないでよ……」 「別に、変な事を言った覚えはないんだけどな……」 「……うー」 涙目で俺を睨むこなた。 「かわいいよ。こなた」 まだ何か言いたげなこなたの唇を、俺は自分の唇で塞ぐ。 しばらくこなたの唇を塞いでいると、やがて、こなたの体から力が抜けていくのが感じられた。 「……続けてもいい?」 「……うん」 こなたの了解を得て、俺は今度はこなたの両足の付け根にひっそりと佇む、こなたの大切な所に指を伸ばす。 「……やっぱり、そこも触るんだよね?」 「そりゃ、触らないと進まないし……。嫌ならやめようか?」 「駄目!! やめないで!!」 「でもこなた、なんだか嫌そうだし」 「違うよ……。恥ずかしいんだよ……」 「……」 「……もし、わたしのが変でも、嫌わないでね……」 「ばか。嫌いになんかなる訳ないだろ」 俺はそう答えると、こなたの膝の裏と背中に手を回し、こなたを持ち上げてベッドの上に寝かせる。 そして寝かせたこなたの両足を、両腕で左右に割り、広げる。 「あっ!! や、だぁ……ぁ……っ」 何も身に着けていない股間を、俺の目に晒したこなたは両手で顔を覆う。 申し訳程度に生えてる、まるで産毛のように薄いこなたの陰毛。 陰毛が前の方にしか生えてないせいで、まるで剥き卵のようにつるんとした可愛らしい股間。 そこには極細の溝が一筋だけ通っている。 初めて見た女の子の大切な所。 しかもこなたの……。 俺の目は、こなたの実年齢に不釣合いな、可愛らしい性器に釘付けになる。 「や、やだ。そんなに見ないでよぉ……」 こなたが恥ずかしそうに嫌々をしながら俺に懇願する。 「ひゃぁっ!?」 俺の指が、こなたのぴったりと閉じている縦筋を撫でる。 「濡れてる……」 指先にぬめり感じて俺が呟くと、こなたは両手で顔を覆ったまま嫌々をする。 「……やだ……ぁ……」 くちゅくちゅくちゅ……。 俺が指を動かして、縦筋を前後に撫でるたびに、こなたの可愛らしい縦筋から愛液が音を立てて溢れてくる。 「くぅん……う……ぁ……んぅぅ……あぁぁぁ……」 指先で撫でてやるだけで、こなたが甘い声を上げる。 いつの間にか両手を顔から離し、こなたが自分の指を噛んで声を上げるのを我慢している。 「こなた。こなたのかわいい声、もっと聞かせて欲しいな」 俺はそう囁くと、こなたの処女溝の左右に指を宛がう。 そして、優しくゆっくりと、こなたの処女溝を左右に拡げていく。 「や!? やだ!! 拡げちゃやだよぅ!!」 さっきまで呆けていた目を見開いて、必死に懇願するこなた。 俺はこなたの懇願を無視して、左右に拡げた秘肉溝を観察する。 にちゃあっという粘着質な音と共に、包皮に守られた小さな陰核と可憐な花びらのような陰唇が現れる。 綺麗な桜色の花びらのような陰唇で包まれ、複雑なシワで形作られた柔らかそうなこなたの大切な所。 まるで針の穴のように小さな尿口、それと間違えそうなほど小さな、いまだ穢れを知らぬ処女孔がとろとろと蜜を溢れさせている。 俺の鼻腔一杯に吸い込まれる、こなたの女の子の匂い。 「あぁぁぁぁぅっ!?」 俺はこなたの処女孔に口付けをして、舌で大陰唇と小陰唇の間の溝、包皮に守られた陰核、小さな尿口、そして膣口を順に舐める。 「ちょっ!! 駄目!! 駄目駄目駄目ぇっ!! そんな汚いとこ舐めちゃ駄目だよぅっ!!」 性器を初めて舐められる感覚に戸惑い、未知の感覚に怯えながらこなたが嫌々をする。 「はうぅぅぅんっ!! やだやだあぁぁぁっ!! 汚いってばぁぁぁっ!!」 「こなたの体に汚い所なんてないよ」 俺はそう答えてから、舌をこなたの小さな膣口に進入させて、朱く色付く産道を舐める。 びゅくびゅくっと愛液が溢れ出し、俺のあごや鼻元をどんどん塗らしていく。 俺はおかまいなしにそれを嚥下しながら、自分の唾液をこなたの性器全体に擦り込む様にして舐め回す。 こなたの秘所を舐めながら、包皮に守られている小さな陰核を指で摘んでみる。 「ひゃあぁぁぁぁんっ!!」 こなたが背中を反らして、ビクビクと震える。 そして、ベッドの上に背中を落としたこなたはハアハアと荒い息を繰り返す。 「もしかしてイっちゃった?」 舌を引き抜いて、こなたに問い掛ける。 「ハア……ハア……。わ、わかん……ない……よぅ……」 息も絶え絶えに答えるこなた。とても嘘を言ってるように見えない。本当にオナニーはした事ないんだな……。 こなたに初めての感覚を教えたのが俺だという事が嬉しい。 小さく口を開けたこなたの膣口を覗き見ると、ドーナツ状の処女膜が確認出来た。 (これが……こなたの処女膜……) ――股間が熱い。 もう、今にも破裂しそうなほど、ガチガチに固くなってる。 「こなた……いい?」 俺はこなたの顔を見つめながら最後の意思確認をする。 「……うん」 「本当にいいんだね? 一度始めたら、多分もう止められないよ?」 「今の俺、こなたが愛しくて愛しくて堪らないから……」 「いいの。○○君、最後までして……」 「わかった」 俺はこなたに頷くと、着ていた部屋着を脱ぐ。 「あ……」 こなたが裸になった俺の股間を見て目を見開く。 「そんなに……大きいんだ……」 「こなたが魅力的だから、こんなになっちゃったんだよ」 俺がそう答えると、こなたは嬉しそうに微笑んでみせる。 「でも……そんなにおっきいの、大丈夫かな……」 「その……ジュニアサイズのタンポンでも……痛くて入らないのに……」 「……俺も初めてだから、よく判らないけど……。多分、今なら大丈夫だと思う」 「それにいつか、こなたの大切な所から、俺達の子供が産まれて来るんだから、きっと大丈夫だよ」 「……なんか、さり気無く凄い事言われた気がするよ」 俺の言葉に一瞬驚いた顔をしたこなたが、微笑みながら言う。 「ん。俺さ、これでもこなたとの将来の事、真剣に考えてるからさ」 「こなた。いつになるか、まだわからないけどさ。俺に責任、取らさせてくれるか?」 「……当然だよ。私の初めては高いんだからねっ」 「ああ。愛してるよ。こなた」 「私も」 俺達はお互いのぬくもりと気持ちを感じあう為、長い長いキスをする。 どれくらいの時間が立ったのかも判らなくなるほどの、長いキスを終えて俺はガチガチに固くなったペニスをこなたの膣口へと押し 当てる。 「いくよ。こなた」 「うん。来て……」 ズッズズズズッ……。 こなたの小さくて狭い膣口にペニスを少しずつ挿入する。 ぐっしょりと愛液で濡れそぼったこなたの小さなそこは、少しずつ拡がりながら俺を受け入れる。 「くぅぅ……」 こなたが両目を閉じて歯を食いしばりながら、初めての挿入に耐える。 メリメリメリッ……。 亀頭の3分の2くらいを挿入した頃、亀頭の先端に引っかかりを感じた。 俺はこなたを抱きしめて、一気に腰を突き出す。 ズズズズッ……ぷつん……っ。 俺の亀頭がこなたの処女膜を引きちぎり、更に奥まで侵入する。 「――っ!! いたあぁぁぁぃっ……」 破瓜の痛みに、堪らずこなたは悲鳴を上げて俺にしがみつく。 こなたのまだ誰も受け入れた事のない、穢れなき産道をメリメリと拡張しながら、俺のペニスは遂にこなたの子宮口とキスをする。 「いっ……ひぐ……」 相当痛かったのか、こなたの固く閉じられた瞳から涙が流れる。 こなたと俺が繋がっている場所からも、赤い鮮血が愛液と共に流れ落ちていく。 「こなた。俺達、今ひとつになれたよ」 俺はこなたの流す涙をそっと、指で拭ってやりながら囁く。 「っ――うん……○○君の熱いの、感じるよ……」 「俺もこなたの熱いのを感じる」 俺達はそう互いに伝えるとキスを交わす。 「も、もう、平気だから、動いていいよ……」 唇を離すとこなたはそう言ってくれる。 「……まだ痛いだろ。顔に出てる」 「えっ?」 俺の言葉に思わず、自分の頬に手を当てるこなた。 「ムリしなくていいから。もう少しこのままでいよう」 「……ありがと。――でも、○○君は辛くないの?」 「いや。こなたのここに包まれてるだけで、凄く気持ちいい」 「ホント?」 「ああ。出来ればずっとこうしていたい位だよ」 こなたの膣はすごくきつくて、ざらざらしてて、温かくて、ぬるぬるしてて、入れてるだけでイってしまいそうになるほど気持ちが いい。 「そうなんだ……。私、ちゃんと○○君の事、気持ちよくさせてあげられてるんだ……」 そう言ってこなたは、幸せそうに笑ってくれた。 「こなた、愛してる」 「私も○○君の事、一番愛してるよ」 俺達はもう一度長いキスをした。 「○○君。今度は本当に大丈夫だから……」 「わかった」 こなたの言葉に頷いた俺はゆっくりと腰を動かす。 「あ……くぅ……」 ゆっくりとペニスを引き出して、またゆっくりと押し込む。 (たしか、初めての相手には一回深く、二回浅く、がいいんだっけ……) 経験の乏しい俺は少ない知識をフル動員して、少しでもこなたの負担を減らそうとする。 「はふぅ……ひゃう……ふぅ……」 浅く抜き差しを二回してから、一回深く抜き差しをする。 「はぁぁん……あふっ……はぁぅん……っ」 それを何度も繰り返す内に、こなたが少しずつ、痛みだけではない感覚を得た甘い声を上げ始める。 ずじゅっ、ぐちゅっ、ぶちゅっ……。 俺がペニスを抜き差しするたびにこなたの秘所からあふれ出した愛液でいやらしい水音が鳴る。 溢れ出した愛液が、破瓜の鮮血を洗い流していく。 「はあはあ、はあっ……!!」 「ひゃふぅ……あゃぅぅん……あふぅぅんっ……!!」 俺はこなたの乳首を撫でたり、摘んだりしながら腰を動かし続ける。 「ひゃあぁぁぁんっ!! あうぁぁぁんっ……!!」 こなたが一際甘い声を上げる。 こなたの膣が更に滑りを増して、ペニスの動きがスムーズになる。 俺はこなたの細い腰を掴むと、腰をゆるゆると上下左右に旋回させる。 「あうんっ、ひゃああぁぁぁんっ!!」 膣を拡張するかのような動きに、こなたが一際高い声を上げる。 「ハア、ハア、も、もうそろそろ……!!」 もう限界だ。 ペニスの先が今にも爆発しそうだ!! 「こなた!! こなた!!」 「あふ……あひゃぁんっ――あ、あついぃぃっ!! おなか、のなか、あついぃぃょおっ!!」 「こわれひゃうっ!! わたひ、こわれひゃうぅぅぅっ!!」 「こなた!!」 「あ、ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」 こなたの背中の下に手を差し入れてこなたを抱き起こし、思い切り抱きしめながら、俺はこなたの中に熱い迸りを注ぎ込む。 ドビュルっ!! ドクドクドクッ……!! こなたの子宮口に押し付けられた亀頭の鈴割れから、大量の精液が打ち出され、こなたの子宮内壁をネトネトにする。 「あ……あぁぁぁ……」 こなたが大きく開けた口をぱくぱくさせながら、小さな体をビクンビクンと震わせる。 「こなた……」 俺達はどちらからともなく、唇を触れ合わせて、ひとつになれた喜びを分かち合うのだった……。 ※ 「とうとう……しちゃったね……」 長いキスを終えた後、俺の腕を枕にしてこなたがしみじみと呟いた。 「うん……」 「……私の体、どうだった?」 「そんな事聞くなよ……」 「だって、知りたいんだもん。○○君をちゃんと満足させてあげられたのかどうか」 「……最高だったよ。また、抱きたい」 「○○君だったら、いつでもいいよ。私は○○君の物だもん」 「……こなたは物なんかじゃないよ」 「え?」 「こなたは俺の嫁」 「俺が生涯をかけて幸せにしたい、世界で一番大切な女の子だよ」 「……嬉しい。○○君、大好き……」 こなたが幸せそうに微笑んで、きゅっと俺にしがみつく。 幸せだ。 ずっとこんな時間が続けばいいのに。 「……そういえば、さっき思わず中に出しちゃったけど、大丈夫なのか?」 「え? 多分大丈夫だと思うよ。一応安全日だし……」 「そうか。それならよかった」 俺がそう言うと、こなたは悲しそうな顔で口を開く。 「○○君は、もし私が妊娠したら嫌なの?」 「ばか。こなたとの間に子供が出来たら嬉しいに決まってるだろ。たださ……」 「俺もこなたもまだ学生じゃないか。俺、さっきも言っただろ」 「俺はこなたを幸せにしたいんだ。だからこなたと子供を幸せに出来るようになるまでは……な」 「……うん」 俺の言葉に納得したのか、こなたの顔に笑顔が戻る。 「あー、でもこなたとの子供か。きっと、かわいいだろうな……」 「○○君は子供好きなの?」 「ああ。だからこなたを選んだんだし」 「ひどっ!!」 「冗談だよ」 「冗談に聞こえなかったよ!!」 「そうか。でもこなたとの子供はいつか欲しいな」 「○○君は男の子と女の子、どっちがいいの?」 「どっちでも。こなたが産んでくれた子なら、どっちでも愛せるから。あ、でも出来たら両方欲しいな。最低三人は」 「……私、そんなに沢山産めるかな?」 「まあ、子供は天からの授かり物っていうしな。あくまで俺の希望っていうか願望だから」 「いつか、その時が来たら頑張るよ」 「ああ。俺もこなたと子供を幸せに出来るように頑張る」 俺達はそうお互いに告げた後、本日何度目かのキスをした。 ※ 「……あっ」 俺の腕を枕にしてるこなたが、突然上半身を起こす。 「こなた、どうかした?」 「あ、あのね、○○君。ちょっと向こう向いててくれるかな」 「何。どうかしたのか?」 「聞かないでよ……。お願いだから向こう向いてて!!」 「わ、わかったよ」 こなたの剣幕に押され、俺はこなたに背を向ける。 「……」 「あ、あれ……」 「ひゃあっ!?」 ドッシーン。 「こなた?」 こなたの声とベッドから落ちたらしい音に驚いて振り向くと、こなたが四つんばいの格好でこちらに尻を向けていた。 こなたと結ばれてからまだ30分くらいしか立ってない訳で。 当然、俺もこなたもまだ裸のままな訳で。 俺の目はこなたが突き出している尻……性器と色素の薄い可愛らしい肛門に釘付けになった。 こなたの縦筋はほんの少しだけ開いてて。 年齢不相応の可愛らしいアソコ。 さっきまで俺のが出たり入ったりしてた小さな膣口から、白い液体がぼとぼとと床に落ちていく。 ……えーと、確か、フローバックとか言う現象だっけ。 以前読んだふたりエッチというマンガに描いてあったな。 中出しした精液が自然に排泄されるんだっけ。 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 見ないでえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 きゃあだって。 初めて聞いたよ。こなたのそんな悲鳴。 「あーん!! 立てない!! 立てないよぉ!!」 こなたは必死になって立ち上がろうとするが、足腰に力が入らないらしく、何度も膝を床に付けた腕立てをするだけだ。 「私、初めてなのに○○君が激しくするから、腰が抜けちゃったよぉっ!!」 俺が悪者ですか。 「しょうがない奴だな、こなたは」 俺はベッドから降りると、こなたを持ち上げて、ベッドの上に寝かせる。 「しばらく寝てりゃ治るよ」 「うー。アソコが……気持ち悪いよ……。スースーする……」 こなたが半泣きでぼやく。 「わかった。俺に任せろ」 俺はティッシュの箱を机の上から取ってくる。 「え? な、何する気?」 「拭いてやるよ」 「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」 「ほら、足広げて」 「い、いいよそんなの」 「良くない。こなたが風邪引いても困るし、それに垂れた精液がシーツ越しに布団に染み込むだろ」 俺は半ば強引にこなたの両足を割り広げると、こなたの股間をティッシュで拭き始めた。 「うわーん!! 恥ずかしいよぉ!!」 「さっきまでもっと凄い事してたじゃないか」 「こっちのほうがもっと恥ずかしいよ!!」 こなたの反論を無視して、こなたの股間を拭く。 「うわ、まだ出てくる。我ながらよくこんなに出したもんだ……」 「まじまじと観察しないでぇ!!」 こなたが何か言ってるが、気にせず拭く。 「うーむ。精液以外の物も出てないか、コレ」 そう言って突付いてやるとこなたが真っ赤になって反論する。 「○○君の拭き方がいやらしいからだよ!!」 「何を言うんだ。人聞きの悪い。俺は普通に拭いてるだけだぞ」 俺は勤めて冷静に振舞う。 実際はあれだけ出したのにも関わらず、息子がガチガチになってるんだが、先ほど破瓜をすませたばかりのこなたにもう一度するの は少々憚られる。 「じゃあ、拭き方を変えるから」 「……あくまで最後まで拭く気なんだね」 「うわーん。まさかToHeart2のこのみや痕の楓みたいな目に合うなんてー」 「何それ。ゲームか何かか?」 俺は泣いてるこなたに、平静を装って適当に返事をしながらティッシュをポンポンと性器に押し付けるようにして、溢れ出る水分を 吸わせていく。 「よし。順調順調」 何枚目かを押し当てて剥がした時、悲劇が起きた。 ベリリッ。 「あっ!!」 「な、何?」 「……ちり紙がこなたのあそこに貼り付いた」 こなたの大陰唇と小陰唇、陰核にティッシュがこびりついてしまった。 「ええええええええええええっ!?」 「すぐ取ってやるから」 俺はそう言って、ティッシュで拭ってみるが、頑固に張り付いてて取れない。 「くそ。指で取るか」 俺は指でティッシュを擦りながら取り始める。 コスコスコス……。 「ひゃ!! ひゃぁん!!」 こなたが声を上げて身悶える。 「こら。こびりついたちり紙を取ってるだけなんだから、変な声を出すなよ」 「そ、そんな事言われたって……あんっ」 くそう。こなたの奴、色っぽい声を出すなぁ。 俺の股間がますます固くなる。 どうにか平静を保つ振りをしつつ、大陰唇と小陰唇のちり紙を取り除くと、こなたの膣口から、愛液がとろとろと溢れ出していた。 「残すはクリトリスのだけだな」 俺はこなたが垂れ流してる愛液を押し付けたティッシュに吸い込ませると、ティッシュに染み込んだ愛液を人差し指に付けて、陰核 にこびり付いたティッシュを擦り取る。擦り取る時に陰核の皮が捲れて、ピンク色の肉真珠が現れた。 「うむ。我ながら良いアイディアだ」 「……」 こなたはもうあきらめたのか何も言わなかった。 「ん?」 こなたの包皮がめくれたクリトリスをよく見ると、白っぽい物がこびり付いてる。 「こんなとこにまでちり紙が付いてる」 俺はこなたのクリトリスを先ほどと同じように、愛液で濡らした人差し指で擦る。 「ふあぁぁぁぁぁんっ!! 「あれ? 取れない」 もう一度同じ方法を試す。 「ひぃやぁぁぁぁぁっ!!」 だが、取れない。 「しゃーないか」 俺は爪でこびり付いてるティッシュを擦り取った。 ガリリっ。 「いたあああああああああああいっ!!」 こなたが悲鳴を上げる。 「ご、ごめん。でもほら、これで奇麗になったから。ほら、最後のも取れたし」 また愛液が溢れ出したこなたの股間にポンポンとティッシュを押し付けながら、人差し指に付いてる最後のティッシュを見せる。 つーん。 「あれ?」 なんか、おしっこ臭いぞこれ。 俺は人差し指を顔に近づけて匂いを嗅ぐ。 「……これ、ちり紙じゃなくて、こなたの恥垢?」 しつこいこびり付きティッシュの正体は、こなたのクリトリスと包皮の間に溜まっていた恥垢だった……。 「……」 「あ、あははは……」 こなたの沈黙と俺の乾いた笑い。 ふたりの間に気まずい沈黙が流れる。 「……ふぇ」 こなたの瞳にみるみる涙が溜まる。そして――。 「うわああああああああああああんっ!!」 こなたが大声で泣き出した。 「しまった!! やっちまった!!」 「うわあああああああああああんっ!! あああああああああああああああんっ!!」 「ご、ごめんこなた!! この通り!! 許してくれ!!」 大きな声を上げて小さな子供のようにマジ泣きするこなた。 俺は何度も土下座してこなたに謝り続けるのだった……。 ※ 「……」 「こなた、もういいかげん機嫌直してくれよ」 10分近く泣き続けたこなたは、ベッドの上で目に涙を浮かべたまま、俺に背を向けて口を尖らせて拗ねていた。 「こなた」 ぷいっ。 「こなた」 ぷいっ。 俺がベッドの横に回り込むと、こなたはすぐにそっぽを向いてしまう。 「いいかげん、許してくれよ……」 「……大成堂のケーキ10個」 「大成堂のケーキ10個で許してあげる」 「わ、わかったよ。今度並んで買ってくるから」 原宿の人気洋菓子店のケーキ10個か。 結構な出費だが仕方ない……。 「……もう遅いから、○○君も寝たら」 こなたがそっぽを向いたまま、俺に言う。 「……ああ」 俺がそう答えて、ソファーに向かおうとした時だった。 「……どこ行くの?」 振り返るとこなたが捨てられた子犬のような目で俺を見ていた。 「……どこにも行かないよ。俺はずっと、こなたの側にいる」 ベッドの中に入り、こなたを抱きしめる。 「……うん」 こなたが俺に抱きついてくる。 「ごめんな。こなた」 「ううん。もういいから。朝までこうしてて……」 「わかった」 俺はこなたを抱きしめたまま、目を閉じる。 「○○君」 不意にこなたが口を開く。 「ん?」 「プレゼント、ありがとうね」 「……まだ、お礼言ってなかったから……」 「……どういたしまして」 「大事にするね」 「うん」 俺とこなたは抱き合ったまま、暖かくて深い眠りに落ちたのだった……。 ※ 「ほら、○○君早く早く!!」 「ちょ、ちょっと待ってくれ。連続5回は結構キツイ……」 「若いのにだらしないよー。今度はあれに乗るんだから!!」 「……勘弁してくれ」 ――数日後。 俺達はこなたの希望で遊園地に遊びに来ていた。 「あのふたり、ホント仲いいわよね」 「そだねー。ちょっと羨ましいかも」 「でもなんだか、私達お邪魔虫みたいですね」 俺とこなたを見て笑っている柊姉妹と高良みゆきの三人。 「ほら、こなた。俺だけじゃなくて、今日はみんなも一緒なんだからさ……」 「わかったよ。それじゃ、みんなで乗りに行こう!!」 「……勘弁してくれー」 「駄目だよー。○○君は、ずーっと私と一緒にいるんだもん!!」 そう言って、とびっきりの笑顔で笑うこなた。 幸せそうに微笑むこなたの耳に着けられている、俺があげたプレゼントが太陽の光を受けて輝いていた。 おわり コメントフォーム 名前 コメント こういう”普通の女の子なこなた”みたいなのってすっごく好きです! もっと増やして! -- 名無しさん (2009-10-13 19 41 34) いいねこういうの GJ!! -- 名無しさん (2009-10-12 04 39 06) こういうオリ男×原作キャラな話は大好きなんで、もっと増えるといいなあ。 -- 名無しさん (2009-10-11 11 31 25) こなた派としては、萌えますね~、たまにこんなこなたも見てみたい。 こなた強制自慰とは、大違いだな -- 湾岸の新人 (2009-07-13 07 39 07) 2ヶ月前に見に来てるけど、 今見てもあの時お全く感想が変わらない。 いい話です。 -- taihoo (2008-10-05 02 23 31) ↓同意。 -- 名無しさん (2008-08-17 06 26 36) 俺はこういうのなんだか好きだなww こういうの増やして欲しい。 強姦とか鬱モノよりこっちの方がね。 -- taihoo (2008-08-09 08 13 05) なんつうか、メンヘラ臭い所があるな -- 名無し (2008-06-13 21 17 53) 恭介。 -- 全部弱点だし (2008-01-28 19 43 17)
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/1364.html
第2話 ずっといっしょに 269 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 43 50.88 ID 8J4HC81q0 第2話 ずっと一緒に ―1945年 3月 ロマーニャ 504JFW基地 ハンガー トラヤヌス作戦は失敗した。 竹井大尉からそう連絡が来て、1時間が経った。 そろそろ504JFWのウィッチたちが帰還してくる時間だろう。 俺達整備兵はそれをまだかまだかと待ちわびていた。 お、帰ってきたみたいだな。 東の空に少しずつ大きくなっている点がいくつか見える。 あれがきっとウィッチたちだな。 数は1、2、3、4、5、6、7,8,9。9人!? 一人足りない……? 嫌な予感がする…。 ウィッチたちが基地に近づいてくるにつれ、個人を認識できるようになってくる。 やっぱり…。アンジーがいない。 270 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 45 32.27 ID 8J4HC81q0 ウィッチたちが基地に到着した。 無意識のうちに、ウィッチのいる方へ走り出す。 ダメだと自分に言い聞かせてはいるが、足を止めることができない。 そして、ストライカーを外した直後の竹井大尉に掴みかかった。 俺「おい!アンジーはどうした!どうして一緒に帰還しない!」 大尉の胸倉を掴んで叫んだ。 上官にこんな態度を取るなど、軍法会議ものだ。 だが、問い詰めることを止めはしない。 俺にとって、今ここにアンジーがいないことが最も重大なことだから。 竹井「ララサーバル中尉は……私たちの撤退時間を稼ぐために…戦場に残ってくれました。」 大尉は申し訳なさそうに視線をそらした。 体の底から、激情が沸き上がってくる。 俺「ふざけるな!アイツ一人を残してきたのk」 ここまで言って気付いた。 みんな、傷だらけじゃないか…。 271 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 50 21.91 ID 8J4HC81q0 クレスピ曹長とマッツェイ少尉は脇腹、左肩に血のシミが出来ている。 マルヴェッツィ中尉は、自身が頭から血を流しているのに、必死にシェイド中尉の胸の傷の治療をしている。 中島少尉と諏訪少尉は腕を押さえてグッタリしている。 ジェンタイル大尉など、立っているのもままならない状態だ。 それを支えているゴッドフリー大尉も、足をひきずっている。 そして、俺が今胸倉をつかんでいる竹井大尉自身も、肩に大きな傷を負っていた。 慌てて胸倉をつかんでいた手を離し、深々と頭を下げた。 俺「すみませんでした!!」 何をやってるんだ、俺は!! この子たちのどこに責められるべき所がある…? こんな状態のこの子たちが戦場に残ったって足手まといになるだけだろうが!! アイツを一人残していくのが、一番つらかったのはこの子たちだったってのに……! 273 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 53 20.17 ID 8J4HC81q0 竹井「大丈夫よ。あなたの気持ち…よく分かるから…!」 そう言って大尉は悔しげな表情でうつむいた。 罪悪感で胸がチクチクと痛む。 しかし、頭の中を占めるのは、アンジーが無事かどうか、ただそれだけだ。 俺「本当にすみませんでした。でも…俺…その…。」 竹井「ええ、行っていいわよ。こっちは私がなんとかしておくから。 あなたはララサーバル中尉の安否を私たちに一刻も早く伝えて。」 大尉は、そう言って俺に微笑みかけてくれた。 この人は…本当に……! 俺「ありがとうございます!!」 言うが早いか、俺は通信室に向かって走り出した。 274 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 00 22.02 ID 8J4HC81q0 ―通信室 俺「失礼します!」 走ってきた勢いそのままで通信室のドアを開けた。 部屋の中にいたドッリオ少佐と通信士は一瞬驚いた顔をしたが、俺の顔を見て、黙って無線機の前を開けてくれた。 地域密着型航空団、アルダーウィッチ―ズの隊長の優しさには頭が下がる。 俺「ありがとうございます。」 俺は無線機の前に駆け足で向かい、無線機を手に取った。 ドクンドクンと心臓の鼓動が高まり続ける。 無線機を持つ手の震えも止めることができない。 276 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 05 07.66 ID 8J4HC81q0 俺「ララサーバル中尉。こちら俺兵曹です。そちらの状況はどうですか?どうぞ。」 『…………ザー……ザー…』 返事がない…。 おいおい…聞こえてねーのか…? 俺「おい、返事をしろ!アンジー!お前は無事なのか!?」 『…………ザー……ザー…』 クソッ!!なんで何も言わねーんだよ! 無事なんだろ!? ヒスパニアのトップエースであるお前がそんなに簡単にやられるわけないよな!? 俺「おい…アンジー…。頼むから返事してくれよ…。 お前に何かあったら俺は……俺は…!」 『情けない声を出すな、俺兵曹。』 277 :俺とララサーバル >>275何故分かったし[]:2011/02/13(日) 05 10 18.86 ID 8J4HC81q0 俺「!? アンジーか!?無事か!?」 『…当たり前だ。私は…ハアハア、エースだぞ。今敵をまいて基地に向かっている。ハア 大…丈夫だ。ハアハア…無事到着できる。たいしたケガ…ハア、もしてない…から。ハアハア 本…当に大丈夫…だから』 無線はそこで切れた。 俺は、無線を無線機に置くと、一目散に駆け出した。 目的地は滑走路。 アンジー、お前は嘘が下手だなぁ。 性格の真面目さが裏目に出てるんだな。 まったくよう、 本当に大丈夫な奴が、そんなに露骨に『大丈夫』を強調するわけねーだろうが!!! 278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/13(日) 05 12 42.98 ID StdC0NCg0 全く、イイヤツだな、ホントに 279 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 15 17.69 ID 8J4HC81q0 ―滑走路 東の空に一粒の小さい点があるのが目に入った。 アンジー…! 俺はその点の方向に走り出した。 近づくにつれて、点の軌道が分かるようになる。 あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、軌道が全く安定していない。 アレは…明らかに異常だ…! ジグザグにこっちに向かってくる点の形が分かってきた。 あのシルエットは明らかにアンジーだ。 うつむいてる…。…アイツ…前見てないんじゃないか…? おいっ!意識はあるのか!? 俺「アンジー!!とにかく俺の方向へまっすぐ飛んで来い!!後は俺がなんとかしてやる!!!」 そう叫ぶと、アンジーは弱弱しく顔を上げた。 そして、俺の顔を見て………微笑んだ。まるで、迷子の子供が母親を見つけた時のように。 アンジーは俺の言葉通り、まっすぐに俺の胸へ飛び込んできた。 281 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 20 32.85 ID 8J4HC81q0 俺「グガッ…!」 俺は受け止めた衝撃で後方に吹き飛ばされた。 全身に痛みが走る。 だが、それよりも自分の腕の中の少女だ。 俺「アンジー、大丈夫か…?」 問いかけて絶句する。 血まみれじゃねーか…。 体の至る所に傷、傷、傷。見ているこっちが痛いくらいだ。 かろうじて呼吸はあるものの、文字通り虫の息だ。 あれ……?お前…腹に穴、空いてるんじゃないのか……? ッ……!こんな状態で基地までずっと飛んでたってのかっ……!? 282 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 25 10.73 ID 8J4HC81q0 ララサーバル「俺…?どうだ?…ちゃんと……帰ってきたぞ…?」 俺「ッ…!ああ…すごいな…。本当にお前はすごいな……。 だから…もうしゃべるな……!」 俺は泣きながらアンジーを抱きしめた。その、今にも消えそうな温もりを逃さぬように。 俺はコイツがこんなにボロボロになっている時に、どこで何をしていた……? 安全な場所で、ただボーっと空を見上げてただけじゃねーか……! 本当に出来ることはなかったのか……? 本当にコイツの元に駆けつけて、守ってやることは出来なかったのか……? 俺の……クソ野郎が…! 39 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 45 44.88 ID P4dbcQUV0 ―1944年 11月 ロマーニャ 504JFW基地 ハンガー その女は驚愕した。 彼女は、8月の501JFWのガリア解放に刺激を受けた連合軍総司令部が、 主にロマーニャ北部とアルプス南部を防衛するために、つい先日設立した第504統合戦闘航空団のメンバーの一人である。 まだ基地に不慣れなため、迷ってしまい、ハンガーに行き着いた矢先に彼女は見つけてしまった。 まだ、幼い頃の面影を少し残した、『俺』と呼ばれるその男に。 女は無意識の内につぶやいた。 「俺…?俺なのか…?」 その言葉を聞いて、男は彼女の方を向いた。 男は彼女の顔を見て一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに顔を引き締め、敬礼をした。 「俺整備兵曹であります。よろしくおねがいします、ララサーバル中尉。」 そして、ニヤリと笑い言った。 「久しぶりだな、アンジー。」 その笑顔は昔彼女が大好きだった笑顔と全く変わっていなかった。 いつも彼女を守り、元気付けてくれた少年の笑顔と。 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/15(火) 04 46 56.44 ID ZvMx9fHi0 俺イケメンすなぁ 支援 41 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 50 16.09 ID P4dbcQUV0 ―1945年 3月 ロマーニャ ローマ 病院 ここは…どこだ…? シンという音が聞こえてきそうなほど静かで、かすかに消毒液のにおいがする。 病院…か? ?「目が覚めたのか…、アンジー?」 誰かの声が聞こえる。 私は目を開けた。 ララサーバル「俺…か…?」 俺「ッ…!気が付いたか!?」 視界に入ってくるもののほとんどが白かった。 床、天井、カーテン。この部屋にあるものはほとんどが白色だ。 そんな白だけの世界では、俺という存在は異彩を放っていた。 なのに、何故ベッドの隣のイスに座っている俺の姿がこんなにぼやけて見えるのだろう。 43 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 52 57.86 ID P4dbcQUV0 俺「アンジー…よかった…本当によかった…グス」 おいおい。大の男が泣き出したぞ。しょうがない、慰めてやるか。 ララサーバル「何を…泣くことが…ある?青中隊の指揮官だった…私が死ぬ訳…ないだろう?」 いかんな、久しぶりに喋ったから舌が上手く回らない…。 ん?俺が眉をひそめている…? 俺の顔をよく見ると、心なしか頬がこけており、目の下に隈が出来ている。顔色も悪く、生気が感じられなかった。 存在感が希薄なのはそのせいか。コイツ…あんまり寝てないんじゃないか? 俺「グス…アンジー、お前は5日間も意識が戻らず、生死をずっとさまよっていた…。 今回ばかりは…本当に危なかったんだ…!」 そう言うと俺は、ヒザの上に置いていた拳をギュッと握りしめた。 そうか…。けっこうマズイ状態だったんだな…。 俺「すまないな…、」 ん?何故謝るんだ…? 俺「守ってやれなくて…。」 44 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 54 49.29 ID P4dbcQUV0 …………………………………は? 今コイツは何て言った…? 守ってやれなくてすまない…? 何を言ってるんだコイツは…。 俺「俺がお前を守ってやらないといけないのに…肝心な時に何も出来なくて…お前をこんなにボロボロにさせちまった。 本当にすまない……!」 俺は、目に涙をためて深々と頭を下げた。 おい…お前はネウロイと戦うどころか飛ぶことすらできないだろう? そんなお前がどうやって私の所に辿り着ける…? どうやって私を守ることが出来ると言うんだ…! ララサーバル「ふざ…けるな…!貴様、私を舐めているのか! 貴様が私を守る?傲慢にも程があるわっ!!」 それなのに…お前は…自分を責めているのか…? 寝ることが出来ないほどに思い詰めているというのか…!? ララサーバル「不愉快だっ!出て行けっ!!」 お前はずっとせまい部屋に閉じこもっていて気が滅入っているだけなんだ…! 外に出て新鮮な空気を吸って頭を冷やして来い…! 45 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 57 09.34 ID P4dbcQUV0 俺「…。」 何故動かない、俺? 私が本気で怒っているのが分かるだろう…? 私の怒号に、俺は表情一つ変えなかった。 そして、私の頭に手をやり、 俺「どこにも行かないよ。」 と言い、頭を撫でてくれた。 とても優しい撫で方だ。だが、手が…冷たい…。こんなのでは全然心地よくない…! 46 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 58 02.23 ID P4dbcQUV0 俺「お前がこんなに傷ついたのは、きっとお前を一人にしたからだ。」 やめろ…。 俺「9年前、お前を一人で行かせてしまったからこんなことになっちまったんだ。」 やめるんだ…! 俺「だから、もうお前を一人で行かせたりしない。」 そんなプロポーズみたいな言葉を、 俺「ずっと一緒にいよう、アンジー。」 今にも泣きそうな笑顔で言うんじゃない…! お前は…どうしたら自分を責めるのを止めてくれるんだ…? 48 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 59 48.98 ID P4dbcQUV0 目覚めてから1週間が経った。 その間、俺は何を言っても私のそばから離れようとしなかった。 表情はいつも笑顔。それはまるで笑顔の仮面を貼り付けているようだった。 俺といつもいっしょにいること…これが小さい頃からの夢だった。そして、たぶん今も…。 しかし、夢が叶ったはずの今はどうだ? こんな上っ面な暮らしを私は夢見ていたのか…? そんなある日、私の病室にミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ カールスラント空軍中佐が訪ねてきた。 彼女は第501統合戦闘航空団の隊長を務めているらしい。 501JFWは、ほぼ壊滅状態の我々504JFWの代わりにロマーニャの守護を引き受けるために再結成された。 私が不甲斐ないばかりに…。申し訳なくて胸が詰まりそうだ…。 ミーナ「はじめまして、ララサーバル中尉、俺兵曹。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ カールスラント空軍中佐です。お加減はいかがですか?」 ララサーバル「はじめまして、ヴィルケ中佐。アンジェラ・サラス・ララサーバル ヒスパニア空軍中尉です。まだ、ろくにものを食べることもできませんね。」 俺「自分は俺 ヒスパニア空軍整備兵曹であります!」 いつものように、私の寝るベッドの横のイスに座っていた俺が立ち上がって敬礼をして言った。さすがに笑顔の仮面は外しているか。 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/15(火) 05 08 34.57 ID ZvMx9fHi0 これはひょっとして501にアンジー&俺加入フラグ? 51 :俺とララサーバル []:2011/02/15(火) 05 09 08.67 ID P4dbcQUV0 ヴィルケ中佐は柔らかい物腰で、利発そうな方だった。きっと良い司令官なのだろう。 ララサーバル「今日はどういったご用件で? 俺、少し席を外してくれないか?」 俺が従うかは分からないが。 ミーナ「あ、別にかまわないわよ。というより、用があるのはむしろあなたの方よ、俺兵曹。」 俺「自分に…ですか?」 ミーナ「ええ、あなたを第501統合戦闘航空団の整備士としてスカウトするために来たの。」 俺「…。」 今、あからさまに嫌な顔をしたな…。 俺はストライカーユニットの整備士としてはかなりの腕らしい。だからこそ、18歳という若さでヒスパニアからロマーニャへと派遣されてきたのだ。 聞く所によると、私と別れてから8年間必死で勉強したとか。わ、私のため…か…?/// ミーナ「あなたは良い腕をしていると聞きました。504JFWが再起するまででいいの。私たちに力を貸してくれないかしら?」 俺「…。」 まあ、了承する訳ないか…。…仕方ない。 52 :俺とララサーバル >>50すみません…アンジーは加入しません…[]:2011/02/15(火) 05 14 44.46 ID P4dbcQUV0 ララサーバル「…俺。お前がいなくて501JFWの整備が疎かになり、ロマーニャがネウロイに占領されたらどうする? お前のせいで私が死ぬんだぞ?」 俺は少しの間考え込んで言った。 俺「…分かりました、ヴィルケ中佐。そのご依頼、お引き受けします。」 ミーナ「そう、それは良かったわ。」 ヴィルケ中佐はそう言って微笑んだ。むう、笑顔がものすごく綺麗だな…。 ミーナ「では、詳しい話は外でしましょうか。」 俺「はい。」 そう言って二人は部屋の扉の方へ向かって行った。 俺「アンジー。」 俺が扉の前で立ち止まって、私に背を向けて言った。何だ? 俺「いっしょにいるって言ったのに…。約束守れなくてゴメン…。 本当にゴメン…!」 そう言って部屋から出て行った。 私は、その小さな背中に何も言ってやれなかった。 絞り出したようなその震える声に、なんと答えたらいいか分からなかったから…。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1263.html
第2話 ずっといっしょに 269 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 43 50.88 ID 8J4HC81q0 第2話 ずっと一緒に ―1945年 3月 ロマーニャ 504JFW基地 ハンガー トラヤヌス作戦は失敗した。 竹井大尉からそう連絡が来て、1時間が経った。 そろそろ504JFWのウィッチたちが帰還してくる時間だろう。 俺達整備兵はそれをまだかまだかと待ちわびていた。 お、帰ってきたみたいだな。 東の空に少しずつ大きくなっている点がいくつか見える。 あれがきっとウィッチたちだな。 数は1、2、3、4、5、6、7,8,9。9人!? 一人足りない……? 嫌な予感がする…。 ウィッチたちが基地に近づいてくるにつれ、個人を認識できるようになってくる。 やっぱり…。アンジーがいない。 270 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 45 32.27 ID 8J4HC81q0 ウィッチたちが基地に到着した。 無意識のうちに、ウィッチのいる方へ走り出す。 ダメだと自分に言い聞かせてはいるが、足を止めることができない。 そして、ストライカーを外した直後の竹井大尉に掴みかかった。 俺「おい!アンジーはどうした!どうして一緒に帰還しない!」 大尉の胸倉を掴んで叫んだ。 上官にこんな態度を取るなど、軍法会議ものだ。 だが、問い詰めることを止めはしない。 俺にとって、今ここにアンジーがいないことが最も重大なことだから。 竹井「ララサーバル中尉は……私たちの撤退時間を稼ぐために…戦場に残ってくれました。」 大尉は申し訳なさそうに視線をそらした。 体の底から、激情が沸き上がってくる。 俺「ふざけるな!アイツ一人を残してきたのk」 ここまで言って気付いた。 みんな、傷だらけじゃないか…。 271 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 50 21.91 ID 8J4HC81q0 クレスピ曹長とマッツェイ少尉は脇腹、左肩に血のシミが出来ている。 マルヴェッツィ中尉は、自身が頭から血を流しているのに、必死にシェイド中尉の胸の傷の治療をしている。 中島少尉と諏訪少尉は腕を押さえてグッタリしている。 ジェンタイル大尉など、立っているのもままならない状態だ。 それを支えているゴッドフリー大尉も、足をひきずっている。 そして、俺が今胸倉をつかんでいる竹井大尉自身も、肩に大きな傷を負っていた。 慌てて胸倉をつかんでいた手を離し、深々と頭を下げた。 俺「すみませんでした!!」 何をやってるんだ、俺は!! この子たちのどこに責められるべき所がある…? こんな状態のこの子たちが戦場に残ったって足手まといになるだけだろうが!! アイツを一人残していくのが、一番つらかったのはこの子たちだったってのに……! 273 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 04 53 20.17 ID 8J4HC81q0 竹井「大丈夫よ。あなたの気持ち…よく分かるから…!」 そう言って大尉は悔しげな表情でうつむいた。 罪悪感で胸がチクチクと痛む。 しかし、頭の中を占めるのは、アンジーが無事かどうか、ただそれだけだ。 俺「本当にすみませんでした。でも…俺…その…。」 竹井「ええ、行っていいわよ。こっちは私がなんとかしておくから。 あなたはララサーバル中尉の安否を私たちに一刻も早く伝えて。」 大尉は、そう言って俺に微笑みかけてくれた。 この人は…本当に……! 俺「ありがとうございます!!」 言うが早いか、俺は通信室に向かって走り出した。 274 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 00 22.02 ID 8J4HC81q0 ―通信室 俺「失礼します!」 走ってきた勢いそのままで通信室のドアを開けた。 部屋の中にいたドッリオ少佐と通信士は一瞬驚いた顔をしたが、俺の顔を見て、黙って無線機の前を開けてくれた。 地域密着型航空団、アルダーウィッチ―ズの隊長の優しさには頭が下がる。 俺「ありがとうございます。」 俺は無線機の前に駆け足で向かい、無線機を手に取った。 ドクンドクンと心臓の鼓動が高まり続ける。 無線機を持つ手の震えも止めることができない。 276 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 05 07.66 ID 8J4HC81q0 俺「ララサーバル中尉。こちら俺兵曹です。そちらの状況はどうですか?どうぞ。」 『…………ザー……ザー…』 返事がない…。 おいおい…聞こえてねーのか…? 俺「おい、返事をしろ!アンジー!お前は無事なのか!?」 『…………ザー……ザー…』 クソッ!!なんで何も言わねーんだよ! 無事なんだろ!? ヒスパニアのトップエースであるお前がそんなに簡単にやられるわけないよな!? 俺「おい…アンジー…。頼むから返事してくれよ…。 お前に何かあったら俺は……俺は…!」 『情けない声を出すな、俺兵曹。』 277 :俺とララサーバル >>275何故分かったし[]:2011/02/13(日) 05 10 18.86 ID 8J4HC81q0 俺「!? アンジーか!?無事か!?」 『…当たり前だ。私は…ハアハア、エースだぞ。今敵をまいて基地に向かっている。ハア 大…丈夫だ。ハアハア…無事到着できる。たいしたケガ…ハア、もしてない…から。ハアハア 本…当に大丈夫…だから』 無線はそこで切れた。 俺は、無線を無線機に置くと、一目散に駆け出した。 目的地は滑走路。 アンジー、お前は嘘が下手だなぁ。 性格の真面目さが裏目に出てるんだな。 まったくよう、 本当に大丈夫な奴が、そんなに露骨に『大丈夫』を強調するわけねーだろうが!!! 278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/13(日) 05 12 42.98 ID StdC0NCg0 全く、イイヤツだな、ホントに 279 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 15 17.69 ID 8J4HC81q0 ―滑走路 東の空に一粒の小さい点があるのが目に入った。 アンジー…! 俺はその点の方向に走り出した。 近づくにつれて、点の軌道が分かるようになる。 あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、軌道が全く安定していない。 アレは…明らかに異常だ…! ジグザグにこっちに向かってくる点の形が分かってきた。 あのシルエットは明らかにアンジーだ。 うつむいてる…。…アイツ…前見てないんじゃないか…? おいっ!意識はあるのか!? 俺「アンジー!!とにかく俺の方向へまっすぐ飛んで来い!!後は俺がなんとかしてやる!!!」 そう叫ぶと、アンジーは弱弱しく顔を上げた。 そして、俺の顔を見て………微笑んだ。まるで、迷子の子供が母親を見つけた時のように。 アンジーは俺の言葉通り、まっすぐに俺の胸へ飛び込んできた。 281 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 20 32.85 ID 8J4HC81q0 俺「グガッ…!」 俺は受け止めた衝撃で後方に吹き飛ばされた。 全身に痛みが走る。 だが、それよりも自分の腕の中の少女だ。 俺「アンジー、大丈夫か…?」 問いかけて絶句する。 血まみれじゃねーか…。 体の至る所に傷、傷、傷。見ているこっちが痛いくらいだ。 かろうじて呼吸はあるものの、文字通り虫の息だ。 あれ……?お前…腹に穴、空いてるんじゃないのか……? ッ……!こんな状態で基地までずっと飛んでたってのかっ……!? 282 :俺とララサーバル[]:2011/02/13(日) 05 25 10.73 ID 8J4HC81q0 ララサーバル「俺…?どうだ?…ちゃんと……帰ってきたぞ…?」 俺「ッ…!ああ…すごいな…。本当にお前はすごいな……。 だから…もうしゃべるな……!」 俺は泣きながらアンジーを抱きしめた。その、今にも消えそうな温もりを逃さぬように。 俺はコイツがこんなにボロボロになっている時に、どこで何をしていた……? 安全な場所で、ただボーっと空を見上げてただけじゃねーか……! 本当に出来ることはなかったのか……? 本当にコイツの元に駆けつけて、守ってやることは出来なかったのか……? 俺の……クソ野郎が…! 39 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 45 44.88 ID P4dbcQUV0 ―1944年 11月 ロマーニャ 504JFW基地 ハンガー その女は驚愕した。 彼女は、8月の501JFWのガリア解放に刺激を受けた連合軍総司令部が、 主にロマーニャ北部とアルプス南部を防衛するために、つい先日設立した第504統合戦闘航空団のメンバーの一人である。 まだ基地に不慣れなため、迷ってしまい、ハンガーに行き着いた矢先に彼女は見つけてしまった。 まだ、幼い頃の面影を少し残した、『俺』と呼ばれるその男に。 女は無意識の内につぶやいた。 「俺…?俺なのか…?」 その言葉を聞いて、男は彼女の方を向いた。 男は彼女の顔を見て一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに顔を引き締め、敬礼をした。 「俺整備兵曹であります。よろしくおねがいします、ララサーバル中尉。」 そして、ニヤリと笑い言った。 「久しぶりだな、アンジー。」 その笑顔は昔彼女が大好きだった笑顔と全く変わっていなかった。 いつも彼女を守り、元気付けてくれた少年の笑顔と。 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/15(火) 04 46 56.44 ID ZvMx9fHi0 俺イケメンすなぁ 支援 41 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 50 16.09 ID P4dbcQUV0 ―1945年 3月 ロマーニャ ローマ 病院 ここは…どこだ…? シンという音が聞こえてきそうなほど静かで、かすかに消毒液のにおいがする。 病院…か? ?「目が覚めたのか…、アンジー?」 誰かの声が聞こえる。 私は目を開けた。 ララサーバル「俺…か…?」 俺「ッ…!気が付いたか!?」 視界に入ってくるもののほとんどが白かった。 床、天井、カーテン。この部屋にあるものはほとんどが白色だ。 そんな白だけの世界では、俺という存在は異彩を放っていた。 なのに、何故ベッドの隣のイスに座っている俺の姿がこんなにぼやけて見えるのだろう。 43 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 52 57.86 ID P4dbcQUV0 俺「アンジー…よかった…本当によかった…グス」 おいおい。大の男が泣き出したぞ。しょうがない、慰めてやるか。 ララサーバル「何を…泣くことが…ある?青中隊の指揮官だった…私が死ぬ訳…ないだろう?」 いかんな、久しぶりに喋ったから舌が上手く回らない…。 ん?俺が眉をひそめている…? 俺の顔をよく見ると、心なしか頬がこけており、目の下に隈が出来ている。顔色も悪く、生気が感じられなかった。 存在感が希薄なのはそのせいか。コイツ…あんまり寝てないんじゃないか? 俺「グス…アンジー、お前は5日間も意識が戻らず、生死をずっとさまよっていた…。 今回ばかりは…本当に危なかったんだ…!」 そう言うと俺は、ヒザの上に置いていた拳をギュッと握りしめた。 そうか…。けっこうマズイ状態だったんだな…。 俺「すまないな…、」 ん?何故謝るんだ…? 俺「守ってやれなくて…。」 44 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 54 49.29 ID P4dbcQUV0 …………………………………は? 今コイツは何て言った…? 守ってやれなくてすまない…? 何を言ってるんだコイツは…。 俺「俺がお前を守ってやらないといけないのに…肝心な時に何も出来なくて…お前をこんなにボロボロにさせちまった。 本当にすまない……!」 俺は、目に涙をためて深々と頭を下げた。 おい…お前はネウロイと戦うどころか飛ぶことすらできないだろう? そんなお前がどうやって私の所に辿り着ける…? どうやって私を守ることが出来ると言うんだ…! ララサーバル「ふざ…けるな…!貴様、私を舐めているのか! 貴様が私を守る?傲慢にも程があるわっ!!」 それなのに…お前は…自分を責めているのか…? 寝ることが出来ないほどに思い詰めているというのか…!? ララサーバル「不愉快だっ!出て行けっ!!」 お前はずっとせまい部屋に閉じこもっていて気が滅入っているだけなんだ…! 外に出て新鮮な空気を吸って頭を冷やして来い…! 45 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 57 09.34 ID P4dbcQUV0 俺「…。」 何故動かない、俺? 私が本気で怒っているのが分かるだろう…? 私の怒号に、俺は表情一つ変えなかった。 そして、私の頭に手をやり、 俺「どこにも行かないよ。」 と言い、頭を撫でてくれた。 とても優しい撫で方だ。だが、手が…冷たい…。こんなのでは全然心地よくない…! 46 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 58 02.23 ID P4dbcQUV0 俺「お前がこんなに傷ついたのは、きっとお前を一人にしたからだ。」 やめろ…。 俺「9年前、お前を一人で行かせてしまったからこんなことになっちまったんだ。」 やめるんだ…! 俺「だから、もうお前を一人で行かせたりしない。」 そんなプロポーズみたいな言葉を、 俺「ずっと一緒にいよう、アンジー。」 今にも泣きそうな笑顔で言うんじゃない…! お前は…どうしたら自分を責めるのを止めてくれるんだ…? 48 :俺とララサーバル[]:2011/02/15(火) 04 59 48.98 ID P4dbcQUV0 目覚めてから1週間が経った。 その間、俺は何を言っても私のそばから離れようとしなかった。 表情はいつも笑顔。それはまるで笑顔の仮面を貼り付けているようだった。 俺といつもいっしょにいること…これが小さい頃からの夢だった。そして、たぶん今も…。 しかし、夢が叶ったはずの今はどうだ? こんな上っ面な暮らしを私は夢見ていたのか…? そんなある日、私の病室にミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ カールスラント空軍中佐が訪ねてきた。 彼女は第501統合戦闘航空団の隊長を務めているらしい。 501JFWは、ほぼ壊滅状態の我々504JFWの代わりにロマーニャの守護を引き受けるために再結成された。 私が不甲斐ないばかりに…。申し訳なくて胸が詰まりそうだ…。 ミーナ「はじめまして、ララサーバル中尉、俺兵曹。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ カールスラント空軍中佐です。お加減はいかがですか?」 ララサーバル「はじめまして、ヴィルケ中佐。アンジェラ・サラス・ララサーバル ヒスパニア空軍中尉です。まだ、ろくにものを食べることもできませんね。」 俺「自分は俺 ヒスパニア空軍整備兵曹であります!」 いつものように、私の寝るベッドの横のイスに座っていた俺が立ち上がって敬礼をして言った。さすがに笑顔の仮面は外しているか。 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/15(火) 05 08 34.57 ID ZvMx9fHi0 これはひょっとして501にアンジー&俺加入フラグ? 51 :俺とララサーバル []:2011/02/15(火) 05 09 08.67 ID P4dbcQUV0 ヴィルケ中佐は柔らかい物腰で、利発そうな方だった。きっと良い司令官なのだろう。 ララサーバル「今日はどういったご用件で? 俺、少し席を外してくれないか?」 俺が従うかは分からないが。 ミーナ「あ、別にかまわないわよ。というより、用があるのはむしろあなたの方よ、俺兵曹。」 俺「自分に…ですか?」 ミーナ「ええ、あなたを第501統合戦闘航空団の整備士としてスカウトするために来たの。」 俺「…。」 今、あからさまに嫌な顔をしたな…。 俺はストライカーユニットの整備士としてはかなりの腕らしい。だからこそ、18歳という若さでヒスパニアからロマーニャへと派遣されてきたのだ。 聞く所によると、私と別れてから8年間必死で勉強したとか。わ、私のため…か…?/// ミーナ「あなたは良い腕をしていると聞きました。504JFWが再起するまででいいの。私たちに力を貸してくれないかしら?」 俺「…。」 まあ、了承する訳ないか…。…仕方ない。 52 :俺とララサーバル >>50すみません…アンジーは加入しません…[]:2011/02/15(火) 05 14 44.46 ID P4dbcQUV0 ララサーバル「…俺。お前がいなくて501JFWの整備が疎かになり、ロマーニャがネウロイに占領されたらどうする? お前のせいで私が死ぬんだぞ?」 俺は少しの間考え込んで言った。 俺「…分かりました、ヴィルケ中佐。そのご依頼、お引き受けします。」 ミーナ「そう、それは良かったわ。」 ヴィルケ中佐はそう言って微笑んだ。むう、笑顔がものすごく綺麗だな…。 ミーナ「では、詳しい話は外でしましょうか。」 俺「はい。」 そう言って二人は部屋の扉の方へ向かって行った。 俺「アンジー。」 俺が扉の前で立ち止まって、私に背を向けて言った。何だ? 俺「いっしょにいるって言ったのに…。約束守れなくてゴメン…。 本当にゴメン…!」 そう言って部屋から出て行った。 私は、その小さな背中に何も言ってやれなかった。 絞り出したようなその震える声に、なんと答えたらいいか分からなかったから…。 第3話 へ続く
https://w.atwiki.jp/bc5656/pages/2551.html
ミスト ーーーーーーーーーー ミスト (ミストグローブ ミスト (夜中 ミスト (大盛り上がりだったアキラ歓迎会 ミスト (途中で婚約も判明しその祝福会にもなり ミスト (食べたり酔ったり色々好き勝手した後 ミスト (示し合わせたように男女2人がそれぞれ別の場所を目指して解散した!!! ミスト 歓迎会…つったのにアキラの奴ったら、 ミスト 最後はどっか飛んでっちゃうんだもんなぁ。数日で戻ってくるって言ってたけど。 エルキス うん… エルキス ちゃんと戻って来るとは思うけど、何処に行っちゃったんだろうね…? ミスト アレはアレで義理堅い奴だから…絶対戻ってくると思うし… ミスト あー。そっか。 ミスト 「貴方達のおかげでちゃんと独立しましたよ。」って元ミナリアのスケット達に挨拶に行くんじゃない? エルキス そっか。手伝ってもらったって言ってたもんね…? エルキス ミナリア世界の友達?に。 トオル あぁ。アイツが頼りにする程の奴らって… トオル 相当強くて、変わり者 トオル な気がするよね。 エルキス た…確かに?(半分首傾げて エルキス 強いのは分かるけど…変わり者なんだ? トオル うん…なんかそんな気がする。 トオル ドリームマスターに喧嘩売ろうだなんて、フツー考えつかないからね! エルキス 確かにね!? エルキス アキラさんが言い出したんだとしても、それに乗っかったって事だもんね… トオル そうだよ全く。好奇心旺盛な人達でこっちは助かったよ。 エルキス そうだね…。 エルキス …それにしても、なんだか怒涛だったなぁ。 エルキス アキラさんの事を初めて知ったの、昨日の夢の中って感覚なのに。 トオル あぁ。ほんっと。うん。 トオル 最終的にはアキラが…ミナリア人のみんなと頑張って、ここに着地してくれたけどさ。 トオル ずっと黙っててゴメンね。エルキスおねーさん。 エルキス っ、ううん!(咄嗟に否定して エルキス ……、いや、ぅーん…、 エルキス …うん。やっぱり、言って欲しかった。…と思う。 トオル う・・・! トオル (アキラの独立前にも夢の中の試合後に、このやりとりはしている。 トオル (しかし、でも、改めて。 トオル ずっと黙っててゴメンナサイ。(エルキスに頭を下げる エルキス 、 エルキス 、、、…………(頭を下げるトオルを見下ろして エルキス ………うん。 いいよ。 エルキス ……謝ってくれてありがとう、トオルくん。 トオル ぅ。。。そんな「ありがとう」…、、、アリ? エルキス ……だ、駄目かな…?? トオル いやいや!全然!むしろすっごくオレ様ありがたいけど! エルキス なんだろ、……トオルくんがそれを言ってくれたから、 エルキス あたしも、もう引き摺らずに前を向ける気がするから。 エルキス だから…やっぱりありがとうだなって思っちゃった。 トオル …。…もう。エルキスおねーさんは優しすぎるよ。 トオル でも、こっちこそ、「ありがとう」。 トオル あんな事やこんな事があっても、エルキスおねーさんが優しくしてくれるから。 トオル …その優しさにガキみたいに甘えてばっかりなつもりはないけど!ね??? トオル でも、優しくしてくれるから、また、もっと一緒に居られる。一緒に居続けたいと思えるな。 トオル …あーーーもう、その、だから、いつも「ありがとう」ね。エルキスおねーさん。 エルキス …そ、そんな「ありがとう」はアリなの…、、、? トオル アリアリ!そっちだってアリだったんだから! エルキス そ、そもそもトオルくん、全然そんなに甘えてないと思うし! エルキス でも………、嬉しい。 エルキス あたしも…、もっと、これからもずっと、トオルくんと一緒に居たいな。 トオル うん…。 トオル ふふっ、なんだか、何度でも言っちゃうね。 トオル ずっと一緒だよ。エルキスおねーさん。 エルキス う、うん…!え、ぇぇとでもその、(顔赤らめながら エルキス 何回言っても良い……と思うの! エルキス …ずっと一緒に居てね!トオルくん! トオル …うん!ずっと一緒に居るよ!!!!! トオル (そう言って。 トオル (笑って。 トオル (楽しそうに、もっと更に近づいてきて、 トオル (寝室のお布団の上に乗って。眼鏡に手をかけながら。 トオル そういえば… トオル メガネが外せるようになったら…1個だけしてみたい事が…あったんだよね。 エルキス 、……、? トオル (ちょっと恥ずかしそうにはにかんで笑って トオル (来て来て。と手招き エルキス 、……。。(手招きされて、こちらも恥ずかしそうにしながら、ベッドに歩み寄る エルキス トオルくん、、、? トオル エルキスおねーさん。。。(ベッドに立ったまま、 トオル (ベッドサイドに近づいてきたエルキスの首の後ろに手を回して、 トオル (おでことおでこをコツン。と。 トオル (ひっつけたまま トオル (目と目で見つめあって トオル 大好きだよ。 エルキス ―――! トオル ーーー(おでこをくっつけたまま、鼻もつけて、唇を重ねる エルキス …、っ、! トオル (2人の夜はこれから…これからも… トオル (ちょっぴり激しい事もできるようになったりして トオル (続いてく。 エルキス ―(。。。そっか。たしかに、初めてだ。トオルくんの顔が、こんなに近くに―― エルキス ――――
https://w.atwiki.jp/yyyigame/pages/269.html
ずっと一緒に 乃木園子 背景解放前 背景解放後 CV 花澤 香菜 ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 踏ん張り 速度 CRT コスト SP 近接型 黄 SR 3840 820 S- D F- 20 30 リーダースキル 励ましあう友情 黄属性の勇者のHP+20% 必殺技 咲花槍盾 種別 効果 ゲージ 技再使用時間 ダメージカット 自然回復 15倍ダメージを小十字範囲の敵に与え、30秒間仲間全員にダメージカット100、自ペアのHPを自然回復 2 30秒 アビリティ ずっと3人でいたいね 発動条件 効果 三段昇段時 30秒間自ペアのATK+10%、攻撃ペース+10% 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 三回目神花 R鉄鼠(黄) SR鉄鼠(黄) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 15 【背景絵】ずっと一緒に 乃木園子 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 6,000 黄の欠片x5 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - ボイス 1 - 2 - 入手方法 鷲尾須美の章1話エキスパートコンプリート報酬 イベント「襲来 ピスケス 第3節」超級バトルドロップ報酬 イベント「襲来 ピスケス 第4節」超級バトルドロップ報酬 名前
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/459.html
戻る TOPへ 次へ あのバトルから五日が過ぎて、全国大会開催の朝。 「マスター」 バイクの暖気中にシルヴィアが口を開く。 冬は朝日が照ろうとも、深夜に冷え切ったエンジンはアイドリングに時間を要する。エンジンが快調に動き出すにはまだ時間があった。 「勝てるかしら、私達」 おれ達は勝てるだろうか。――誰に? ヤツらに。《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラーとそのマスター、御影キョウジに。 シルヴィアの口調には、今大会の優勝に然したる価値など無く、彼らの撃破が今回の目標であり、それ以外は眼中に無い。 と言う無言の闘志が込められていた。 「勝てるさ」 おれは応える。 「勝ってみせるさ」 アクセルを吹かす。愛車がおれのアクションに威勢良く応える。 アイドリング終了。シルヴィアを胸ポケットへ。バイクに跨り、発進する。 ツガル戦術論 鏡の試練 後編4 車の通りはまばらだった。まだそういう時間帯だった。こんなときは速度を抑えて思案にふける。 おれは昨日起こった事柄を思い返していた。 そう。 五日前、おれは御影キョウジに大敗した。その次の日からおれは思考の迷路をさ迷い続けた。ツガル武装の性能の高さを体現し証明するために戦ってきたはずだった。それを最も効果的な方法で木っ端微塵に撃ち砕かれた。そう、シルヴィアはツガル武装のマスターミラーによって打ち倒されたのだ。自身の存在理由を否定された気がしたおれは家に閉じこもり三日三晩思い悩み、そして四日目の早朝にヤツが来た。御影キョウジとマスターミラーが。 四日目。つまり昨日の事だ。部屋で腐っているおれに見兼ねたシルヴィアが呼んだと言う。アドレスは例のバトルの直後、シルヴィアに手渡されていたらしい。 当初は彼らの真意がわからなかったが、勝手に家に入ってくるなり腐った三日間で荒れ放題になった部屋を清掃し始め盛大な朝食を作りだし「めしあがれ」等と突き付けられると、御影はおれを元気付けに来たのか? と思い始めた。 その時は正直、ヤツの印象が「よく喋るヤツ」から「よく喋る変なヤツ」に変更された、位にしか思っていなかった。 会場に到着し、会場施設の二輪駐車場が無料であることを確認してから駐車。 大会エントリーを早めに済ませ、人影少ない選手控え室でモバイルを立ち上げ戦術、戦略の確認を行う。新戦術など何も用意していない。既存の戦術を敵のタイプ別にあてはめて考察する。モバイル内に展開する仮想空間上に敵の戦闘データをシンボルとして躍らせる。それに対してシルヴィアがリアクションを起こし、既存戦術の復習をこなすだけだ。 そうだ。おれたちに新戦術など必要無い。そう思うよう仕向けたのは何と、御影キョウジその人であった。 「シルヴィア、ぼくとデートしませんか?」 おれが山盛りの朝食を平らげてると突然、御影キョウジは言った。 なんだ、シルヴィアと、デートだ? ふざけるな。と出かかったが、 「キミのお相手はマスターミラー」 こう切り出された。自分の中では大負けした相手と仲良く出来るか。と言う感情があったが、おれの思惑とは正反対にシルヴィアはミラーと意気投合していた。 「だってあのツガル武装をあそこまで使いこなされれば、やっかむのを通り越して尊敬するわ」 「それは私とて同じだ。本来ならすべての攻撃を『ミラー』で捌くつもりだったが、機動ユニットを盾に使わざるを得ない 事態は予想外だった。シルヴィアの能力に対して私は敬意を持っている」 どうやら塞ぎ込んでいたのはおれだけだったようだ。 「シルヴィ、お前のマスターはナイーブ過ぎるぞ。軟弱なマスターを鍛え直すのも神姫の務めだ」 「うちのマスター、私の言う事には聞く耳持たないのよ。今日はマスターの御守をよろしくね」 「任せるがいい。私はお前のマスターを過大評価しない。全力で御守してやる」 御影の申し出。断るつもりは無かった。正確には、断る気力も無かった。 戦術研究を終えシルヴィアとモバイルの接続を切る。次は武装の動作確認。もちろん前日にチェックを終えているが、これもこなす。 人の気配がまばらだった控え室も大分賑わってきた。地区大会の上の全国大会だ。周りの神姫が纏う装備は一目見ただけで洗練されたカスタム武装だと言う事がわかる。この中でデフォルト武装のおれ達は随分と浮いていた。だが、構うものか。まずは武器の動作確認。続いてスラスターの稼動を確認。センサー類のチェック。 そうやっているうちに、控え室に備え付けられたモニターに大会の開催式が映し出される。 同時にバトルトーナメントの対戦組み合わせ表が発表された。シルヴィアの名前と《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラーの名前が意外と近いのを確認。参加者の数は膨大で、大会前半の進行は会場に複数設置されたバトルスペースで順次バトルを行うプログラムになっている。 控え室スピーカーからバトル参加神姫の名前が次々と呼ばれる。その中にマスターミラーの名が含まれており、おれとシルヴィアは静かに闘志を燃やす。 やがてスピーカーからシルヴィアの名前が呼び出された。 「……《レッド・ホット・クリスマス》シルヴィア、六番バトル場へおこしください。」 《レッド・ホット・クリスマス》。この二つ名を命名したのも御影キョウジだった。 御影がデートと称して連れ出した場所。バイクで30分ほど飛ばした場所にある商店街。その中に建つ「ホビーショップ エルゴ」。シルヴィアは御影と、おれはミラーと入店する。 御影のヤツは最近エルゴに通い始めたらしく、早速店長と会話を始めていた。おれは店先の品揃えから初めて訪れた店のレベルを値踏みしようとした。が、あまりのレベルの高さに言葉を失う。 パーツはオフィシャル武装のバラ売りからハンドメイド装備まで。メンテナンス用品は廉価版から最高級品。おまけに非常に可愛らしい神姫用衣類まで扱っている気合の入りっぷり。店頭に並んでいない商品も情報端末で検索、発注すれば倉庫から取り出せる仕組みになっていた。これら大型神姫センターに引けを取らぬ品揃えとサービス、それでいて価格は抑えられており、この店の経営者のやる気がヒシヒシと伝わってくる。ホビーショップエルゴの鬼気迫る経営戦略を抽象的に表現すれば、「見晒せ、俺の男気!」ではないだろうか。 後でシルヴィアから聞いた話だと、シルヴィアをエルゴの店長に紹介する際に御影が《レッド・ホット・クリスマス》の二つ名を、まるで前からそう呼ばれてたかのように冠して紹介したらしい。何でも「南半球で繰り広げられる真夏のクリスマスの、浜辺に寄せては返す波のような、高度な戦術を評して」だとか。それまでは二つ名など興味ない。と言った雰囲気のシルヴィアだったが、内心うれしく思ってるのは確かだ。目が笑ってる。 大会選手控え室からバトル会場へ。圧倒的なギャラリー。広大な空間。眩しすぎる照明。周りのバトルスペースで戦う参加者達。緊張感を感じるが、これに押しつぶされる事は無い。バトルが始まれば緊張感が消える事を知っているからだ。このテンションでもって、荒ぶる気持ちをなだめすかす。周りの熱狂が反作用し、思考が冷静に冴え渡るのを感じる。持てる技術と育てた戦術。強さと言う自信が身体から溢れれば、総ての要素が力となる。 第六会場で対峙するシルヴィアと猫型。戦闘開始のカウントダウンまでの間に敵の武装情報を探り出す。敵は猫型素体の特性を伸ばすカスタマイズ、高い運動性と装甲を利用した、近接戦闘が得意なタイプと予測。一見、遠距離からの狙撃が有効に見えるが、相手が装甲に物を言わせれば強引に接近される危険性がある。格闘武器でフル武装する神姫に接近戦を挑まれてはシルヴィアは手も足も出ないだろう。ならば、相手が格闘を挑んで来るタイミングで、こちらからも格闘を仕掛ける。ただしこの格闘は囮。敵の虚を着き一気に離脱。その際に生じる隙に付け入る。 これらをまとめ、急接近と急速離脱を繰り返す一撃必殺戦法をシルヴィアに伝える。 不敵な笑みで応える《レッド・ホット・クリスマス》シルヴィア。 シルヴィアの一回戦目が開始された。 ホビーショップエルゴは一階がショップに、二階はバトルフロアになっていた。 肩の上に乗るミラーが言うには、キョウジがおれ達を引っ張り出した真意は二階にあるそうだ。ショップでのパーツチェックもそこそこに、バトルフロアへ足を運ぶおれとミラー。フル稼働中のバトル筐体と休憩スペースを備えた二階は盛大に盛り上がっていた。 休憩スペースにはバトルをモニタ出来る大型スクリーンが備え付けられていた。既に休憩スペースのベンチに根を張っていた御影とシルヴィアが何か会話をしている。 おれ達は、彼らから離れたスペースで試合を観戦し始めた。常時携帯しているモバイルでタクティカルアナライザーを起動、次々と登場する個性的な神姫達の戦術を分析し始める。二丁拳銃を使いこなす兎型や、狙撃と格闘に長けた(シルヴィアと同じスタンスだ!)眼帯の悪魔型、同じ悪魔型でもレッグパーツの脚力を駆使した空中殺法を得意とする神姫、高機動ユニットを背負い分身等の電子戦を織り交ぜた格闘戦を得意とする猫型など等。彼女達の戦う姿は戦略分析を抜きにしても楽しませてもらった。中には逆光を浴びて名乗りを上げるマントの騎士型なんていたな。 だが、彼らの戦術は個性的で、個々の能力を完全に活かしきった戦闘をしていた。言い方をかえれば強烈に完成し過ぎているのだ。今のシルヴィアが取り入れられそうな戦術はほとんど無い。こんなバトルを見せる為にヤツはおれ達を引っ張り出したのか? この時点でも、おれは御影キョウジの真意を推し量る事は出来なかった。 しかし後のミラーに言わせれば、この時のおれはワクワクした表情で「ウホッ、こいつらと対戦してみてえ」と顔に書いてあるようだったらしい。 続く 戻る TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/412.html
戻る TOPへ 次へ ? 「シルヴィア、策敵能力ではかなわない。初撃はくれてやれ」 注意を促され、先ほどサブモニターに表示された敵神姫、マスターミラーの背面装備を思い出す。アーンヴァルの高い索敵性能をさらに強化する情報戦仕様の機動ユニット。ミサイルの最高射程は私のレールガンを超えるものと予測。 マスターの指示はつまり「まずは回避に専念しろ」。指示を実践するため敵と遭遇する前に速度を確保する。スラスターミリタリー。巡航出力。 バトルフィールドは大小の建築物が立ち並ぶ「ゴーストタウン」。地形を回避に利用すべく低空を飛行。 果たして、策敵距離外からの攻撃が飛来した。突然のレッドアラート。 「シルヴィ、6時の方向に飛行体。恐らく対空ミサイル。回避!」 回避行動。急旋回しつつ建築物の合間にダイブ。メインストリートの舗装路すれすれを飛ぶ。ミサイルの爆発音を確認。回避完了。廃ビルの狭間に身を潜ませながらミサイルの発射された方角へ加速する。レーダーに反応。地表効果を利用し急上昇。エンゲージ。 交戦開始。 ツガル戦術論-副題 シルヴィア地獄激闘編(下) 空中射撃戦は始終こちらのペース。お互いに苦手な中距離戦だが、武装の特性上、シルヴィアの方が若干有利だ。散発的に飛んでくるミサイルを撃ち落しつつ回避しつつ、ライフルと高速貫通レールガンのコンビネーションで撃ち返す。中距離での高機動戦ではミサイルのロックオンは難しく機関銃の危険度が下がる。当初の作戦通りだ。しかしマスターミラーのエネルギーシールドはハイパワーレールガンすら易々とはじく。あのシールド、小型の割に出力がある。 「キサラギ社のエネルギーシールド、『ミラー』だな」 コア思想に基づく武装を数多く作り出す企業、キサラギ。最先端の技術と柔軟なコンセプトで高性能のパーツを続々と世に送り出しているが、言い換えればキワモノ揃いであるこれらのパーツ群を使いこなせる神姫は少ない。エネルギーシールド『ミラー』は《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラーの象徴とも言うべき武装なのだろう。まるで手足の延長のように扱っている。ゆえにお互い未だ直撃無し。中距離射撃戦では埒があかない。気になるのは敵神姫が積極的に距離のコントロールを行わない点だ。中距離があちらの苦手距離だと言うのは承知のはず。敵はシールドで防ぎ続けて弾切れを狙っている? いいや、強力な長距離武装を持つ神姫ならば、そんな回りくどい方法を取らずとも一方的に攻撃出来る筈だ。と、言う事は。 「敵は、おれ達を誘っている」 こちらが近距離に飛び込むのを待っているのだ。火器管制能力の向上が見込める情報戦装備と、弾幕を張れる軽量機関銃を併せ持つ神姫に接近するのは決死的だ。だがこの状況ではそれしか方法は無い。覚悟を決める。スラスターを開放。マグネティックランチャーを盾に吶喊。前回の決勝戦で見せた必殺技。速攻で決める。 こちらの頭部を的確に狙ってくる機関銃。だがかえって射線が捉えやすく盾で防ぎやすい。致命的ダメージを負わずにクロスレンジに突入。僥倖。 マグネティックランチャー、フルパワー。格闘の間合いで発射。が、シールド『ミラー』で防がれる。しかしこれはコンボのきっかけに過ぎない。パワフルな質量弾を防いだせいで『ミラー』の出力は一時的に下がり反発力が弱まっているはず。そこを狙う。全身のスラスターをさらにマキシマムへ。追撃開始。盾にしていたランチャーでシールドタックル。ランチャーと『ミラー』が接触。予測通り敵のシールドに反発力は無い。これなら、行ける。 シールドとフレキシブルアームを巧みに使い敵のシールドを左腕ごと跳ね上げさせる。その勢いを殺さずスラスター制御、宙返り開始。背面フォービドブレイド、一閃。これは機関銃の銃身を犠牲にして防がれる。そして本命攻撃、身をねじり両腕に構えたライフルをボディ目掛けて連射。セミオートで3連発、必殺の合計6発。だが相手も身を翻し、背面機動ユニットを盾にする。機動ユニットに致命的ダメージを与えるも、敵素体にダメージ無し。なんてセンスだ! 戦場は高高度上空。マスターミラーは飛行制御不能に陥った機動ユニットを最後まで利用し、地表に着陸を試みている。叩くなら今。 白煙を散らしつつ落下するミラー目掛けてパワーダイブ。スラスターを再度マキシマムへ。マグネティックランチャー充電。必殺の距離で叩き込んでやる。 しかし、シルヴィアの鋼の闘志はミラーの一言でくじけた。 「お前の動きはすべて見切った」 どこまでもクールな目線でこちらを見据えつつ、彼女はこう言ったのだ。 敵は戦意を喪失してない。まだ切り札がある!? 激しい動揺。突入機動を強引に捻じ曲げそのままオーバーシュート。マスターミラーよりも先に下界に到達する。ゴーストタウン中央に位置する打ち捨てられた公園を選んで着地。遅れて地表に到達するミラー。ボロボロの機動ユニットでは着陸時の速度制御はかなわず、公園端にそびえる廃ビルに激突し大爆発を起す。だが、油断はしないシルヴィア。 「キョウジ、敵の行動パターン収集完了。サイドボードの展開、武装換装を要請」 ミラーの声が聞こえた。あの機動ユニットはあくまで情報収集用で、メイン武装はサイドボードに仕込んでいたと言うのか。 ゆっくりと晴れていく爆煙。身構えるシルヴィア。 だが、姿を現したマスターミラーを確認したおれとシルヴィアは言葉を失った。 背後から伸びる4本の武装ユニット。全身に装着された軽量の機動装甲ユニット。両腕には軽量ライフル。そう、これらは見慣れた武装群。それは、シルヴィアと全く同じ武装。純正ツガルタイプのデフォルト武装であった。敵アーンヴァルがツガルの武装を纏っている、だと? 驚愕。敵が何を考えているのか全くわからない恐怖。おれが気圧されしている? 敵の戦略に対して思考が全く働かない。いったい敵は何を考えているんだ!? 「シルヴィア、敵の奇策だ! 見掛け倒しだ!」 弱気になってる自分を奮い立たせるように叫ぶ。そうだ。ツガルタイプの武装を一番使いこなせるのはシルヴィアのはずだ。アーンヴァルが一朝一夕で物に出来る武装では無い。これはおれ達の動揺を誘っての奇策に違いない。 シルヴィアも何とかショックから立ち直り、先手を取りマグネティックランチャーを放つ。だが間合いは遠距離。その一撃はマグネティックランチャーを盾に構えるミラーに弾かれた。反撃にライフルとランチャーを駆使した精密射撃に襲われる。回避が間に合わず何発か直撃。だが駆動系にダメージは無し。すぐさま高速回避機動にうつる。だが心は動揺したままだ。ツガルのデフォルト武装はバトルではほとんど使われない。それはツガルが得意とするレンジが遠距離と近距離、と極端であるところに起因する。だから今までの戦闘で対ツガル戦闘の経験は皆無なのだ。いや、そんな事は大した問題ではない。 問題はツガルデフォルト武装を使うプレイヤーが出現した、と言う事自体だ。しかも、熟練のツガルに対してツガルをぶつけて来た。理解、不能。 マスター、指示を! シルヴィアが珍しく指示を仰ぐ。彼女も混乱してる。いつもと同じ戦略を取るか? いいや、相手はすでにツガル対策を打ち立てている。くそ、自身の思考の鈍さを感じる。 「遠距離から反撃。敵の出方を伺え」 消極的な指示。セオリー通りだが、シルヴィアの期待していた指示とは異なっていた。口を開いた後でその点に気がつく。後悔し、さらに焦る。 シルヴィア、障害物に半身を隠し、射撃。だが敵はツガル武装の軽やかな運動性で回避、そのまま接近してくる。巧みなスラスター制御。そして中距離戦。ツガルタイプの苦手な距離。 マグネティックランチャー高速貫通モードで迎撃を図る。外せば再射撃まで時間がかかる。偏差を考慮し、慎重に発射。相手も同時に発射。 敵アーンヴァル、マグネティックランチャーを斜めに構え高速貫通弾を『跳弾』させる。シルヴィアもマグネティックランチャーで防ぐが、まともに受け止めた貫通弾は盾にした銃身を吹っ飛ばした。破片が素体をしたたかに傷つけ、呻き声を噛み殺す。 敵は全身のスラスターを全開、急接近。後手に回ったシルヴィアも釣られて加速する。互いに必殺技の機動を開始。接近戦。スラスターの推力を捻じ曲げムーンサルト。タイミングは二人同時。二人の機動が交差する。フォービドブレイドによる攻防。だが、シルヴィアのほうが加速度が足らず手数が少ない。そして、 「ぐうッあぁぁああぁぁぁ!」 シルヴィアの左大腿骨切断。わずかに落ちる回転速度。続いてフォービドブレイド破損。右腕欠損。胸部スラスター全壊。背部武装ユニット動作不能。高速回転から繰り出される両刃のフォービドブレイドはシルヴィアのボディを破滅的な勢いで切断していく。 マスターミラー、スラスターによる姿勢制御できりもみ状態から復帰。ハイパーエレクトロマグネティックランチャーを構え、撃つ。頭部を狙い、フルチャージの一撃。 そこにはツガルの武装をしたアーンヴァル、マスターミラーがたたずみ。 それまでシルヴィアとして稼動していたツガルの素体が転がっていた。 ジャッジAIの判定が他人事のように下される。「勝者、《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラー」 いつのまにか集まったギャラリーが沸いた。 シルヴィアの自我が電脳空間から素体へ戻ってきた。 だがおれは、呆然とするしか出来なかった。 続く 戻る TOPへ 次へ ?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/456.html
戻る TOPへ 次へ ツガル戦術論 鏡の試練 前編1 地区大会で優勝を収めたおれ達は、次の大会開催までの一週間を利用してトレーニングに励んでいた。 家からあまり離れていない行きつけのセンターには、始めたばかりの初心者から、ファーストリーグで鳴らしている猛者など幅広いユーザーが集まっており、戦術研究の場としては打って付けだった。卓上で考案した戦略が初心者に通用しても、上級者には通用しない。というのは勿論の事だが、その逆のケースも存在するのだから面白い。 最良の上達方法が実戦というのはどんな世界でも変わらないのだ。 前大会で披露した、中距離攻撃力が低いと言う欠点を逆に利用する戦術に対してやはり対策が立てられており、腕のある神姫とのバトルではこちらが劣勢。贔屓目に見て五分の勝負に持ち込まれる事となった。対策に対する対策が必要だ。が、さりとて、そんなに早く新戦術が思い付くわけでも無い。 だからこそ、既存の戦術を煮詰め、新たなコンボを編み出そうとセンターで連戦を続けているのであった。 コンボとは? 攻撃とは多くの場合、ひとつの武器から放たれる一撃で完結するものでは無い。単一武器による連続攻撃。異なる性質を持った複数武器による連続または同時攻撃。機動しながらの攻撃。回避機動及び防御行動からの反撃。さらに体術を含む近接武器による格闘との連携。等など。 例えばハンドガン一丁をあなたの武装に追加しただけで、これだけ攻撃パターンが増えるのである。 武装を増やすと言うのはつまり火力の増加のみに留まらず、相手に対して取れる戦術が増える。攻撃力と手数の二重の増加、則ち戦力の上昇に繋がると言うわけだ。それを理解せずにカタログスペックだけを見て武器を扱えば、その「武器に使われる」事となる。各武器の特性を理解し、自らの思い描いた戦術にマッチした装備の組み合わせを探し出すのが重要だ。 武装とはマスターと神姫にとってアイデンティティ。 武装とは、自らの技術と経験と信念に基づいて選択すべきものである。 さて、神姫の武装やオプションが徐々に増加しているにも関わらず、未だに格闘武器のみというスタイルが根強く残っているが、それは本人らが意識してる、してないに関わらず上記の理由が大きいだろう。 剣しか装備してなければ、その剣を活用せざるを得ない。言い換えれば、剣の性能を100%引き出す事に繋がるのだ。もしこの神姫がどんな間合いでも一瞬で詰められる機動力があれば、剣以外の武器を持たぬ彼女は迷いなく敵を一刀で切り伏せようとするだろう。 余計な事を考える必要が無いというのは、ここ一番の場面では大いに強みになる。 さらに彼女の剣が片手で扱えるものならば、無限の用途を備えた武器である「左腕」を攻撃に組み込める。叩く、払う、掴む、捩る、投げる、防ぐ。左腕と剣によるコンビネーションは近接格闘戦において無限のコンボを派生させ、剣が本来持つ戦術的効果を上回る性能を発揮させるだろう。もちろん両手持ちの剣を扱ってもその性質はほとんど変わらない。刀身で斬る、切っ先で突く、刀を返し薙ぎ払う、柄で殴る、峰で叩く。射撃武器と違い、たった一つの武装で無限の攻撃パターンを繰り出せるのが格闘武器の利点の一つだ。 だがこれは、使用者の技量と武器の性能が直接的に結びついているとも言えて、使用者の鍛錬が無ければ威力を発揮しない、という欠点も孕んでいる。だがそれ以上に、ただの物質であるはずの格闘武器が使い手とともに千差万別 変幻自在に身を翻し、激しい攻撃をぶつけ合う格闘戦のダイナミズムは多くの人を虜にする。 この先、いかに射撃武器が充実していこうとも、多くの神姫達は格闘武器を手放さないだろう。 少し話しがずれた。閑話代休。 私の主張するところとは、つまり。 神姫の装備に対しての熟練度は、確実に戦力として加算されると言う点だ。 先日行われたセカンドリーグ同士のフリーバトルにて、巡航射撃型のアーンヴァルタイプが軽量格闘型のハウリンタイプに肉薄された際、巨大なレーザーライフルの銃身を叩き付けて迎撃した件は記憶に新しい。バトル後の勝者アーンヴァルの発言は興味深いものだった。「いつも抱えて飛んでましたから、体が自然に動きました」 この件はいささかイレギュラーな形での運用ではあるが、体に馴染んだ武装と言うのは意識せずとも自然に戦術に組み込まれる。 これを偶然拾った僥倖と判断するか、必然で勝ち得た勝利と判断するかで、あなたの神姫プレイヤーとしての性格が問われる。 さて、格闘武器のカテゴリであるにも関わらず剣や槍などの武器とは在り方が大きく異なる武器がある。 則ちパイルバンカーやドリルアーム等といった機械式格闘武器である。 これらは通常の格闘武器と比較してあまりにも高い破壊力と、それに反比例する低すぎる汎用性を持つ。火薬を炸裂させ、その爆発力を最大限運動エネルギーに変換し装甲を貫くパイルバンカーは、貫くというワンアクションしか起こせない。逆に言えばワンアクションに特化した機構が化け物的貫通力を生み出すのだ。玄人向けと言われる所以である。そしてこれらの性能をフルに引き出すためには武器に対する熟練度や鍛錬よりも、経験が占めるウェイトが大きい。連射が利かず突くしか出来ないパイルバンカーは、「単一武器による連携」が行えない。よって培われた経験に裏付けされた判断力で――― 対戦フロアの隅にて、モバイルのテキストに新たな戦術論の草案を書き初めてからどれくらい経ったのだろう。 「―――マスター、もしもし、マスター? 大変。とうとうウチのマスターの聴覚器官が水平線しちゃったのね」 シルヴィアに課題を出して連戦させてるうちにマスターである自分は新戦術を完成させ、パートナーのバックアップを図ろうと思っていた。が、 「どうしましょう。とりあえず、帰りにささげと重曹、もち米を買わなくてはいけないわ」 どうやら自分は作業に没頭していたようで、連戦を終えたシルヴィアの呼びかけも聞こえてなかったらしい。 「赤飯でも炊こうってか。めでたくも無いのに赤飯を炊きたがるグルメ神姫を持つと無駄に出費がかさんで辛いぜ」 「あら、赤飯は嫌い? めでたくなくても炊きたくなる、私をそそらせる何かがお赤飯にはあるのよ」 「話を逸らすなよ。誰の耳が聞こえなくなるとめでたいって?」 「赤飯が耳の病気に効くってお隣のお宅のおば様が言ってた」 「そりゃお前、赤飯を食べて邪気を払おうって意味じゃないか」 「じゃあマスターの耳に取り付いた邪気をさっさと追い払いましょう。と言うわけで今夜は赤飯がいいわ」 うちのシルヴィアは少し呼びかけに応じないだけでこんな感じになる。 自分が作業に没頭しやすい性質も手伝って最近はしばしば、夕食が無駄に豪華気味になるなのは間違いなくシルヴィアが原因。豪華なのは良い事だが、エンゲル係数の地味な上昇はおれの財布を直撃する。 赤飯は次回の大会で優勝したらな。と手早く話題を切り替える。 「さて、バトルの成績はどうだった」 「マスターの指示が無い点を踏まえ贔屓目に見て五分ってところ。対策の早いところはバッチリ予習してるみたい」 うむむ、と息を漏らすシルヴィア。 対ツガル…ひいては対シルヴィア対策をとっている神姫が多数いる。それはつまりおれ達の優勝によって引き起こされたショックウェーブの規模を物語っている。自分達の行動に対して明確なリアクションが帰ってきた事におれ達は多少の満足を覚えていた。だが同時に、早く手を打たなければいけないと言う焦りも出てきている。大会開催まであと四日を切ってた。その期間で新戦術を確立出来るだろうか。ううむ。 「純正ツガルタイプの戦術論を書いていたんじゃないの?」 調子が悪いときは何をやっても悪く転ぶものだ、今日のところは切り上げて戦闘データから戦術を見直してみよう。と言う意思を伝えるよりも早く、シルヴィアはモバイルの画面を覗き込んでいた。 「剣だのパイルバンカーだの、こんな文章書いちゃって…。やっぱり、いつまでもデフォルト装備では通用しないと思ってるのかしらん、マスター?」 それは途中から本題を外れ、無意識のうちにタイプしていた文章だったが、指摘されてみれば確かに自分の焦りを明文化したようでもあった。 おれ達はツガルタイプが隠し持つ高い性能を証明するために、デフォルト武装に拘り戦闘を続けてきたのだ。だがしかし。 「弱気になってる気がする。こんな状況に対して覚悟は決めてるはずだった。でも、今までは回りに注目されてなかったから勝ち上がれただけで、注目されればこの程度の戦績しか残せないのがおれ達だったのか、って」 「まったく、うちのマスターが、聞いて呆れるような事を」 まったくだ。見事にどつぼにはまってしまっている。 やはり今日のところはさっさと切り上げてしまおう。と帰り支度をした矢先、その男は現れた。 「あなたですね。ツガルタイプのシルヴィア。先日の大会で優勝なさった」 続く 戻る TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2868.html
藤原「ぐっ……どうやら、お迎えがきたようだ……」 九曜「――修復が――間に――合わない」 藤原「……ずっと…一緒に……いたかった……せめてあの花のように……」 九曜「一人に――しないで――」 ∩ ⊂◎⊃ ∪ | \|/ ハルヒ「綺麗な花ね」 キョン「そうだな。お前が育てたのか?」 九曜「――ずっと一緒――だから――」 ハルヒ・キョン「??」 九曜「――」 ∩ ⊂◎⊃ ∪ | \|/ 佐々木「藤原君、最近見ないね」 橘「そうですね」 九曜「一緒に――いる――」 佐々木・橘「??」 長門「……あなたの望み通りにした」 長門「………もうみんないない……でもあなたは彼と一緒」 長門「…………しあわせ?」 ~ ∩ (九) ⊂◎⊃ (曜) ∪ (昆) | (布) \|/ ××年後 みくる大「いよいよね。過去に行くのは。過去の私をあんまりいじめないでね」 藤原「任務とはいえ、きつく当たるのは複雑な思いですね」 みくる大「困難な状況もあるかもしれないけど、そんな時は貴方の思う通りに行動しなさい」 藤原「はい。ところでコレは?」 みくる大「随分前だけど私の古い友人から貰ったの。綺麗な花でしょ?」 藤原「この黒っぽい方は……こんなの初めてだ。不思議な形ですね」 みくる大「隣の花といつも一緒なのよ。これは白いほうの花がないと咲けないの」 藤原「……?どういう事ですか?」 みくる大「時が来ればわかります」 藤原「はぁ…そういうものなのですか?」 みくる大「そういうものなの」 藤原「では、行ってきます」 みくる大「行かせてしまった……これで……良かったの……かな?」 長門「あの2人が共にある為には……行かせるしかない」 みくる大「命を落とすと知っているのに……」 長門「彼の命はここにある……彼女の命と一緒に……」 視線の先に二つの花が揺れていた end
https://w.atwiki.jp/myhero/pages/46.html
【ずっと一緒に】今大路 峻 カード名 ずっと一緒に キャラ名 今大路 峻 レアリティ SSR 所属 マトリ リーダースキル サイレントスパイ チーム全員がマトリの時、確率ですぐにスキルが使える!! スキル スキルトゥ・グレイヴ 選んだ十字範囲内のピースを消す!